プレスリリース提供元:@Press

本コーナーは、「@Press」から提供されたニュースリリースを原文のまま掲載しています。本コーナーに掲載したニュースリリースの内容に関するお問い合わせは「@Press」に直接お願いします。

全国初、長野県塩尻市における総務省セキュリティポリシーに準じたストレージのソフトウェアデータ消去実証実験で、正常な運用を確認

長野県塩尻市(市長:小口 利幸)、ネットワンシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:竹下 隆史)、ネットアップ合同会社(本社:東京都中央区、代表執行役員社長:中島 シハブ・ドゥグラ、以下:ネットアップ)、ワンビ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:加藤 貴)は、塩尻市がコンピュータ・ストレージで管理している約4万件の仮想住民データについて、総務省のガイドライン(※1)に準じたソフトウェアデータ消去プロセスの実証実験を行いました。
この実証実験において、該当データのソフトウェア消去と消去証明書の発行によって、業務環境における物理破壊と同等のデータ消去が実証され、ガイドラインに沿ったプロセス通りの手順が確認できました。
塩尻市は今後、住民データを始めとした庁内で扱うデータ・ライフサイクル管理を国のガイドラインに即した高いレベルでのデータ消去及び第三者の消去証明書による証跡運用を行えるようにしながら、庁内業務のDXを加速し、住民サービスの品質向上と安心感の醸成を進める考えです。

※1 令和元年に個人情報を含む大量の行政データがHDD(ハードディスク記憶装置)ごと流出した問題を受け、総務省は令和2年に「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を公表した。本ガイドラインでは情報機器の廃棄及びデータ抹消手法が定義され、取扱データの機密性に応じた廃棄及びデータ抹消の消去履歴とデータ消去証明書の取得を促している。

総務省「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」(令和2年12月28日)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000727474.pdf

■本実証実験の背景と効果
スマート自治体の実現に向けては、データ活用及び保存が非常に重要となります。データ保存のためには、HDDを含む大量の記憶媒体が必要となりますが、記録媒体の更改や廃棄に伴うデータ消去を実施する際、特に住民情報が含まれたデータの消去には物理破壊等を前提とした対応が必要となり、自治体における予算確保や人員確保、廃棄手段の検討等に課題がありました。
今回の実証によって、ソフトウェアによるデータ消去と第三者機関による信頼性確保を組み合わせ、総務省ガイドラインに則った物理破壊と同等のデータ消去を実現しました。また、今回の手法を業務環境に導入することで、以下の効果が期待されます。
・記録媒体の物理破壊対応が必要なくなることによる職員余力の確保、業務プロセスの改善
・HDD物理破壊を防ぐことによる既存資産の有効活用(SDGs 目標7、9、11、12)(※2)
・第三者機関の認証によるデータ廃棄完了の担保
・システムの導入から収束までを考慮した仕様の明確化

※2 SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標である。国連サミットにおいて全ての加盟国が合意した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で掲げられ、2030年を達成年限とし、17のゴール(目標)と169のターゲットから構成されている。(目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに、目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう、目標11:住み続けられるまちづくりを、目標12:つくる責任つかう責任)

長野県塩尻市は、これらの効果を生かしつつ、データ活用を進めることでスマート自治体を実現し、住民サービスの向上につなげる考えです。

■データ消去プロセス実証実験の概要
実施期間:令和3年10月~11月
対象 :検証用にネットアップのストレージを基幹系ネットワークに接続し、約4万件の仮想住民データを格納
プロセス:
(1)市職員が立会いのもと、検証用ストレージのデータ消去を実行
(2)ログファイルをインターネット接続可能なPCに移動
(3)ワンビが提供する「OneBe Storage LCMサーバ」(以下、SLCM)にログファイルをアップロード
(4)ログ内容をもとにADEC(※3)に証明書の発行を依頼(ADECの認証局サーバに送信)
(5)消去証明書が発行され依頼者に送付
(6)後日、データを消去したストレージをアイフォレンセ日本データ復旧研究所株式会社(※4)が調査し、データが残らず復元もできない状態にあることを確認
(7)市職員が立会いのもと、ストレージにはデータが残っておらず、復元もできない状態にあることを目視で確認

※3 データ消去に関連するストレージ関連製品とサービスに対して認証を行う機関。ネットアップが提供するストレージ管理ソフトウェア「NetApp ONTAP」(以下、ONTAP)、SLCMともに認証済みとなっている。

※4 アイフォレンセ日本データ復旧研究所株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:下垣内 太、 https://www.daillo.com/ )は、消失データの復元や、不正・犯罪の証拠調査におけるデジタルデータ解析が専門の企業である。自社特許のデータ復旧技術を応用したデータ消去検証では、消え残ったデータ記録は厳しくチェックされる。対象はデジタルカメラ用メモリカードから大容量ストレージサーバまでさまざまであり、同社のデータ消去検証をクリアしたデータ消去ソフトウェアが搭載された国内メーカー製パソコンも存在する。

【今回の実証実験の概要イメージ】

画像1:
実証実験構成図

■データ消去証明ソリューションの構成と仕組み
今回実施したデータ消去証明ソリューションは、ネットアップが提供するストレージ管理ソフトウェア「NetApp ONTAP」と、ワンビが提供する「OneBe Storage LCMサーバ」を連携させたものです。ONTAPは、エンタープライズ向けストレージ関連製品として日本で初めてADECの「消去技術認証」を取得しました。ONTAPの消去プログラムの実行履歴をSLCMサーバにアップロードすると、消去の実行結果とストレージ情報をADECの認証局に送信し、データ消去実行証明書が発行されます。特に公共団体に対しては、総務省のデータ消去ガイドラインに沿ったこのプロセスを経た証明書の保持が強く推奨されており、現在市場ではADEC認証を持つ本ソリューションのみが対応しています。

■各団体コメント
長野県塩尻市役所 CDO 小澤 光興のコメント
「ハードディスクの廃棄に際しては、データ流出を防ぐために物理破壊などを実施してきましたが、本実証により実際にデータ消去が行われること、消去について外部機関による認証が行われることなど、物理破壊が不可能な場合においても、確実にデータが消去されたことを確認できる点、また、ディスクの2次利用が可能となる点など、非常に有効な手段であると感じました。
この方法が、廃棄における標準プロセスの一つとして社会に認識されることは、これからの時代において非常に大切なことだと思います。新たなソリューションとして提供されることを期待しております。」

ネットワンシステムズ株式会社 取締役 執行役員 辻 晃治のコメント
「ネットワンシステムズは、自治体市場において、システムの導入・運用からIT戦略策定支援に至るまでの幅広い領域に携わって参りました。本実証実験は、住民情報データの適切な管理・廃棄や、機器の取り扱いに係るコストの最適化など、全ての自治体が抱えている課題を解決するだけでなく、自治体DXの実現に向けた大きな一歩となりました。また、本実証実験の結果は、自治体だけではなく、あらゆる市場においても有効であり展開が可能と考えております。
今後もネットワンシステムズは、ICTの提供を通じて、お客様のDX実現に貢献していきます。」

ネットアップ合同会社 代表執行役員社長 中島シハブ・ドゥグラのコメント
「今回の実証実験において自治体の実務環境でデータ消去の正常な運用が確認できたことをうれしく思います。公共機関で運用できる高いレベルのセキュリティ、データ・ライフサイクル管理技術を利用すれば、さまざまな分野でDXを推進するITインフラ基盤となり、業務効率向上だけでなく、住民や利用者が受けるサービスの満足度向上も期待できます。これは公共機関だけでなく民間にもあてはまるDXの効果です。弊社は今後も高いレベルのデータ・ライフサイクル管理でプロジェクトを支援して参ります。」

ワンビ株式会社 代表取締役社長 加藤 貴のコメント
「この度、塩尻市様の実務環境においてOneBe Storage LCMで第三者機関のデータ消去証明書の発行までを確認できたことを心よりうれしく思います。市民のデータを預かるシステムでハードウェアの廃棄や破壊をせずにデータ・ライフサイクル管理技術を利用できれば、全世界で掲げている持続可能な開発目標(SDGs:エスディージーズ)の“目標11:包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現”、“目標12:持続可能な生産消費形態の確保の実現”等につながります。今後もワンビは、お客様に安心・安全なデータ・ライフサイクルをお届けできるように貢献してまいります。」

データ適正消去実行証明協議会(ADEC) 会長 荻原 紀男のコメント
「塩尻市の実証実験で、第三者データ適正消去実行証明書が採用されましたことに歓迎の意を表します。ADECはデータの適正な消去のあり方を調査・研究し、その技術的な基準を策定するとともに、第三者的な証明制度の普及・啓発を図り、我が国における健全で安心安全な循環型IT社会の実現に寄与することを目的としております。このたびの取り組みは、日本の行政機関・教育機関・医療機関・企業・団体が安全にデータを活用し、廃棄する際には安心できる第三者データ適正消去証明書を発行することで資源を再活用し社会の貢献に寄与できると信じております」

■各団体について
長野県塩尻市について
塩尻市は長野県のほぼ中央に位置し、北アルプスなど山々を背景に田園風景が広がる、人口約66,000人余の地方都市です。基幹産業は製造業ですが、豊かな農地で豊富な種類の野菜や果樹が栽培され、特にメルロー等の欧州系ブドウを原料とするワインの醸造は国際的にも高い評価を受けています。観光の面では、奈良井宿・平出遺跡などの歴史的・文化的遺産と、優れた自然景観を有する高ボッチ高原などがあります。
情報分野では、全国初の自治体によるインターネットプロバイダー事業や、庁内業務環境の仮想化などの施策を実施しております。最近では、自動運転の実証など最先端技術の活用に取組んでおり、令和3年5月に「塩尻市デジタル・トランスフォーメーション戦略」を策定し自治体DXの推進に努めております。詳細については、 https://www.city.shiojiri.lg.jp/ をご覧ください。

ネットワンシステムズ株式会社について
ネットワンシステムズ株式会社は、お客様が利用するビジネスアプリケーションを、ネットワーク技術を駆使し、プライベートクラウド/パブリッククラウドを包括してセキュアに支える「クラウドシステム」を提供する企業です。そのために、常に世界の最先端技術動向を見極め、その組み合わせを検証して具現化するとともに、実際に自社内で実践することで利活用ノウハウも併せてお届けしています。

ネットアップ合同会社について
ネットアップはグローバルなクラウド戦略で業界をリードする、Data-Centricなソフトウェア企業です。デジタルトランスフォーメーションが加速する時代において、データを活用してビジネスをリードする企業や組織を支援します。クラウドでの開発、クラウドへの移行、オンプレミスでの独自のクラウドレベルの環境構築など、データセンターからクラウドまでのアプリケーションを最適な状態で実行できるシステム、ソフトウェア、クラウドサービスを提供しています。ネットアップは、多様な環境にわたって機能するソリューションを通じて、企業や組織が独自のデータファブリックを構築し、いつでもどこでも、必要なデータ、サービス、アプリケーションを適切なユーザに安全に提供できるようにしています。
詳細については、 https://www.netapp.com/ja/ をご覧ください。

ワンビ株式会社について
ワンビはデータ消去技術で企業の情報漏えいを守るセキュリティソフトウェアの開発企業です。ワークスタイルの変革に伴って、企業にも大きな変化が訪れて働く場所や形態、デバイスの活用方法、そしてセキュリティの在り方も変わりつつあります。その中で、盗難・紛失したデバイスの情報漏えい対策として多くの企業で採用されている遠隔データ消去ソリューション「TRUST DELETE(R)(トラストデリート)」で、安心して、いつでもどこでもデータを活用できる環境を提供しています。
さらに、廃棄や不要なデータを適切かつ確実に消去したことを証明するADECに準じたソリューション開発のパイオニアでもあります。詳細については、 https://www.onebe.co.jp/ をご覧ください。

データ適正消去実行証明協議会(ADEC)について
ADECは、データの適正な消去のあり方を調査・研究し、その技術的な基準を策定するとともに、これに基づいてデータの適正消去が実行されたことを証明するための第三者的な証明制度の普及・啓発を図り、我が国における健全で安心安全な循環型IT社会の実現に寄与することを目的としています。詳細については、 https://www.adec-cert.jp/ をご覧ください。

※記載されている社名・製品名・サービス名は、各社の商標または登録商標です。

詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press