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Lightning端子をUSB Type-Cに置き換えた改造iPhoneがeBayに出品、入札額が10万ドルを超える

 Lightning端子をUSB Type-Cに置き換えた改造iPhoneがネットオークションサイトのeBayに出品され、入札額が10万ドル(約1,135万円、記事執筆時点)に達している。

 改造iPhoneは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校でロボット工学を専攻しているKen Pillonel氏によるもの。ベースになっているのは中古で購入したiPhone X(64GBモデル)で、改造後も充電やデータ転送が可能。市販のUSB Type-C→Lightning変換ケーブルに使われている「C94コネクタ」を分解、再構成して回路図を作成し、プリント基板(PCB)がiPhone内部の限られたスペースに収まるように設計した上で、端子形状もUSB Type-C形状に適合するよう加工している。

 Pillonel氏は改造の過程を約14分の動画にまとめており、同氏のGitHubアカウントでは回路図と、コネクタを保持するパーツの3Dプリント用データを公開している。ただしPCBの回路図はじめ詳細な設計についての情報は、オークションが終了するまでは非公開となっている。

 11月初旬に出品された改造iPhoneは、本体のほかにオプション類は付属しないが、Pillonel氏との30分間の通話が可能となっている。入札にあたっては「このiPhoneを復元、アップデート、消去しないこと」、「日常使いの携帯電話として使用しないこと」、「筐体を開かないこと」の3点に同意することを求めている。落札者のもとに到着した直後の動作は保証しているものの、「試作品」であることから、故障してもサポートは「期待しないでほしい」という。

 GitHubのReadmeドキュメントによれば、今後の改善点として、防水性能を持ったより小型のコネクタの検討や、コネクタ保持パーツの強度向上、急速充電への完全対応などを挙げており、改造iPhoneの改良に意欲を見せている。

C94コネクタを分解し、回路図を再作成した
限られたスペースに収まるよう基板を設計