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PS2の基板を切り詰めて携帯ハード化したYouTuberあらわる

 ソニーの据え置きゲーム機「PlayStation 2」(PS2)の基板を切り詰めて携帯ハード化した動画がYouTubeに投稿された。

 「PS2 Eclipse」と名付けられた改造PS2は、米国在住のYouTuber“GingerOfOz”氏が製作したもの。ベースとなったPS2は、2004年に発売された薄型・軽量モデル、SCPH-70000番台の個体で、eBayでパーツ取り用として出品されていたものを15ドルで落札した。

 「可能な限り小型で効率的なシステムの構築」を念頭に、実機の基板を切り出してポータブルサイズに収めている。このためゲームの動作は実機相当だが、いくつかの機能が失われており、追加の基板をカスタム基板製作サービスから調達している。基板のトリミングについては、オールドコンソールコミュニティ「BitBuilt」のガイドを参考にしたという。

基板を切り出したところ
追加の基板を別途調達した

 本体とゲームの起動はメモリーカードにPS2のブートを行なうソフトをインストールし、データ転送には内蔵のUSB 1.1を使用。本来、PS2のソフトは内蔵の光学ドライブから起動するが、ディスクドライブはポータブル化したPS2本体よりも大きいだけでなく、PS2のシステムと同じくらい電力を消費するため、USBからの起動のみとした。

電源はリチウムイオン電池
データ転送はUSBを採用

 音声出力には音量調節用の回路を含む基板を別途用意しており、ステレオスピーカー出力とヘッドフォン出力の実装に使用している。この基板は音声出力のほか音声ボリュームの調節、コントローラのエミュレーション、USB Type-Cによるデータ転送などに関する処理を担うという。操作ボタンはPSPのパーツを別途購入して組み込んだ。USB Type-Cポートは、PCからのデータ転送のほか充電が可能になっている。電源はリチウムイオン電池2本で、バッテリ寿命は約2時間30分。

PCからのデータ転送が可能で、自作コンテンツやプログラムを転送できる

 既知の問題点としては、USB 1.1の実効転送速度(約1.5Mbps)に起因するカットシーンのカクつきなどが確認されているほか、タイトルによってはコントローラを認識しない場合がある点を挙げている。

 PS2 Eclipseは現在のところ販売する予定はないとしている(正確には、量産する気がないため100万ドルの値札をつけている)が、GingerOfOz氏は2020年に任天堂のWiiをポータブル化した「The Wiiboy Color」を製作しており、こちらは手作りのため順番待ちをする必要があるものの、1,500ドルで販売中。動画の中で、今後はゲームキューブに関連したプロジェクトに取り組む予定だと述べている。

【11時53分訂正】記事初出時、電源の記述が誤っておりました。お詫びして訂正します。