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最強生物"クマムシ"新種、山形で発見

ショウナイチョウメイムシの顕微鏡写真。A: 光学顕微鏡 B: 電子顕微鏡での全体像。CDE: 体表クチクラの孔 いずれも単位はμm

 慶應義塾大学先端生命科学研究所の荒川和晴准教授は1日、山形県鶴岡市内で新種のクマムシを発見したと発表。「ショウナイチョウメイムシ」(ラテン名:Macrobiotus shonaicus)と命名した。

 クマムシは体長1mm以下の微小動物。周辺環境の乾燥にともなってほぼ完全に脱水し、無代謝の「乾眠」状態に移行できる。この状態のクマムシは、超低温や、放射線、宇宙真空への曝露にまで耐えられる極限環境体制を持つ。また、給水により数年の乾眠状態から速やかに生命活動を再開でき、「最強生物」と称されることも多い。

 今回荒川准教授が発見したクマムシは、すでに知られている「Macrobiotus hufelandi」によく似た形態をしているが、体表を覆うクチクラの層に存在する孔が極めて小さく、前方3対の足に見られる出っ張りや、卵表面の繊維状の突起などの特徴が異なった。また、ゲノム18S rRNAおよび28S rRNA、ミトコンドリアゲノムCOI遺伝子の配列などから、未記載の新種であることがわかった。