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東北大、歯のエナメル質の人工形成に成功

~次世代むし歯治療に期待

歯の構造

 東北大学は7日、歯のエナメル質を形成するマスター遺伝子の同定と機能解析を行ない、エナメル質の人工的な形成に成功したと発表した。

 歯の最外層はエナメル質で守られており、人体でもっとも硬い組織となっている。骨や軟骨などの硬組織と異なり、エナメル質は皮膚や爪などと同じ歯原性上皮細胞と呼ばれる上皮細胞から形成され、歯冠や歯根の形はこの細胞が制御している。

 同大学の研究チームは、転写因子の1つであるエピプロフィンをマウスの全身の包皮細胞に発現するように遺伝子操作を行ない、通常のマウスと比較解析。遺伝子操作されたマウスには通常なら形成されない場所にエナメル質が形成されていることが分かったほか、臼歯の形にも異常が見られたという。

 この原因として、エピプロフィンが歯の発生過程において上皮間葉組織間で展開される相互作用に、増殖インチFGF9やSHHの発現を誘導することにより介入し、歯の象牙形成に関与する歯原性間葉細胞の増殖を促進させることが明らかとなった。

 これにより、次世代のむし歯の治療や歯の再生への応用が期待される。