やじうまPC Watch

一見普通だが実は変態だったASRockのGeForce 7025搭載マザー「N68C-GS4 FX」

N68C-GS4 FX

 PC Watchではこれまでニュースで紹介しておらず、今更取り上げるのも恐縮だが、ASRockが2013年10月頃に投入したAMD向けのmicroATXマザーボード「N68C-GS4 FX」は、ASRockらしい“変態”マザーボードである。

 このマザーボードはチップセットにGeForce 7025という古いものを使用していおり、Athlon X2からPhenom II、そして最新のFXプロセッサまでサポートしている。AM2/AM2+のCPU搭載時ではDDR2メモリのみ、AM3 CPU搭載時ではDDR2とDDR3メモリのいずれか、AM3+ CPU搭載時ではDDR3メモリのみが使用できる。

 これだけでもかなり“変態”度合いが高いと言えるのだが、“変態”の真髄はそのCPUソケットにある。先述の通り、このマザーボードはSocket AM2、AM2+、AM3、AM3+という4種類のソケットのCPUを全てサポートしているのだが、このサポートは一筋縄にはいかない。DDR2専用のAM2+ CPUは物理的にAM3のソケットに挿さらないようになっているし、DDR3専用のAM3+ CPUは逆にAM2+のソケットに挿さらないようになっているからだ。つまり、AMDが公式発表しているソケット1つで4種のCPUをサポートするのは、本来物理的に不可能である。

Socket AM2およびAM2+のCPUがAM3のソケットに挿さらないピンを緑で塗りつぶした
Socket AM3+のCPUがSocket AM2のソケットに挿さらないピンを緑で塗りつぶした

 ではN68C-GS4 FXはどうやって解決しているのかと言うと、4種のCPUが全て挿さるという「AM2+/AM3/AM3+」ソケットを採用することで解決しているのである。メーカーは不明だが、写真で確認する限り、確かにAM2+とAM3+のCPUが両方挿さるように設計されていることが分かる。

Socket AM2とAM3+の両方のCPUが挿さるようになっている

 なお、同様にAM2+とAM3両方をサポートできるマザーボードとして、2009年にJetwayから発売された「HA08 COMBO」が挙げられ、ソケットの工夫は共通していると見られるが、HA08 COMBOは対応CPUに合わせてBIOSを書き換える必要があったほか、AM3+のFXシリーズについてはサポートできない。

 ちなみにこのN68C-GS4 FXは国内で正式投入はされておらず、2015年に一時期PC-IDEAが取り扱っていた程度なのだが、製造は続けられているとのことで、どこかがその気になれば国内販売に辿り着くことも可能だ。

 ついでに述べておくと、本製品はWindows XPを正式サポートしているほか、IDEポートも備わっているため、ビデオカードやサウンドカードを工夫すれば、Windows 9x系のOSもサポート外ながらインストールできそうではある。