イベントレポート

小型の光造形方式3Dプリンタの展示が相次ぐ

 リアルビジョンシステムズは、同社が開発した超小型光造形方式3Dプリンタ「RVS-Mini」を展示していた。RVS-Miniは、指輪などのジュエリー業界向けに開発された製品で、最大造形サイズは43×27×180mm(幅×奥行き×高さ)と小さいが、本体もコンパクトで、右側に出力後のレジンを硬化させるためのUVランプエリアが用意されていることが特徴だ。専用樹脂を利用し、ロストワックス法で型を作るための原型を出力することができる。

 また、より大型の「RVS-R1」も展示していた。こちらの最大造形サイズは60×45×120mm(同)であり、ジュエリー業界だけでなくフィギュアや工業デザインにも向いている。価格は、RVS-Miniが780,000円(税別)、RVS-R1が1,280,000円(税別)である。

リアルビジョンシステムズの超小型光造形方式3Dプリンタ「RVS-Mini」。最大造形サイズは43×27×180mm(同)と小さいが、指輪などのジュエリー業界向けならこのサイズで十分とのことだ
左側が造形プラットフォームで、右側が硬化用のUVランプエリアである
RVS-Miniの出力例。専用樹脂による出力で、ロストワックス法で型を作るための原型となる
こちらは、ジュエリーだけでなくフィギュアや工業デザインにも向いた光造形方式3Dプリンタ「RVS-R1」。最大造形サイズは60×45×120mm(同)である
RVS-R1の出力例。こちらも型を作るための原型となる

 Carimaのブースでは、同社が開発した光造形方式の3Dプリンタ「imp」が展示されていた。impの最大造形サイズは77×44×150mm(同)だが、複数の角度から連続して断面画像を照射することで、一般的な光造形方式の3Dプリンタよりも高速に造形が可能だという。さらに、上位モデルの「DP110E」も展示されていた。DP110Eの最大造形サイズは110×82×200mm(同)である。

Carimaブースに展示されていた光造形方式の3Dプリンタ「imp」
impのプラットフォーム部分。下のトレイに液体の光硬化樹脂(レジン)が満たされており、下から光が照射されることで硬化する
こちらは上位モデルの「DP110E」
DP110Eの出力例

 さらにiFactのブースでも、光造形方式の3Dプリンタ「HERCULES」が展示されていた。HERCULESは、液晶フォトマスクを使うことで、340×190×250mm(同)とこのクラスの光造形方式3Dプリンタとしてはかなり大きな造形サイズを実現している

iFactが展示していた光造形方式の3Dプリンタ「HERCULES」。液晶フォトマスクを使うことで、340×190×250mm(同)とこのクラスの光造形方式3Dプリンタとしてはかなり大きな造形サイズを実現している
HERCULESの出力例

 ローランドディー.ジー.は、光造形方式の3Dプリンタ「ARM-10」を展示していた。ARM-10はすでに発売されている製品だが、新素材として弾力のあるゴムライク素材での出力例も展示されていた。ARM-10用のゴムライク素材は、2016年春に発売予定とのことだ。また、新製品のフラットヘッドUVプリンタ「LEF-20」も展示されていた。UVプリンタは、さまざまな立体素材に直接印刷を行なえることが利点であり、発色もあざやかで剥がれにくい。

ローランドディー.ジー.のブースで展示されていた光造形方式の3Dプリンタ「ARM-10」
ARM-10の出力例。光造形らしく、積層段差がほとんど見えない仕上がりだ
ARM-10用の新素材として、弾力のあるゴムライク素材での出力例も展示されていた。ゴムライク素材は、2016年春頃に発売される予定とのことだ
新製品のフラットヘッドUVプリンタ「LEF-20」。さまざまな立体素材に直接印刷を行なえる
LEF-20での印刷例。曲面にも鮮やかな印刷が可能だ

(石井 英男)