イベントレポート

【やじうまCOMPUTEX】複数ネコの顔識別ができる自動給餌器

~IoTを駆使し、ネコの健康管理やスマホで遠隔監視も可能

IoTを駆使したネコの自動給餌器「CATFi」

 本誌連載記事「お宅のオタクネコ拝見」を楽しみにしている読者も多いと思うが、それを見ても分かるように、ITデバイスとネコはもはや切っても切れない関係(?)だ。そんな状況を知ってか、知らずしてか(十中八九、台湾人はこの連載のことは知らないに違いないが)、IoTを駆使したネコ関連製品が登場した。それが、ZILLIANSの「CATFi」だ。

 ネコ用グッズは世界中でさまざまなものが販売されており、自動給餌器自体はすでに多く製品化されている。このCATFiも、基本的な機能は自動給餌器なのだが、本製品が他の製品と大きく異なるのは、IoTを駆使し、これまでにない機能を実現している点にある。

 本体には、餌と水を蓄えるタンクがあり、ネコが接近すると餌や水がタンクから自動的にトレイに供給されるという点は、多くの自動給餌器と変わらない。しかし、CATFiでは餌や水の入るトレイの奥にカメラを装備し、これによってネコの顔認証を実現。複数のネコを飼っている場合でも、それぞれのネコを区別し、各ネコに合った適切な量の餌や水を供給するとともに、ネコが食べた餌や水の量も記録できるようになっている。

 また、餌の入るトレイの前には体重計が設置されており、餌を食べている時にネコの体重を計測。日々のネコの体重を管理するとともに、体重情報から与えるべき餌や水の量を自動で調節するという。もし、トレイに前のネコが食べ残した餌が残っていたとしても、その残量を考慮して適切な量の餌が供給されるという。CATFiの形状は、ネコにとって使いやすいデザイン(猫工学)が追求されており、ネコが楽に餌を食べられるとしている。

 ネコの体重の変化や、食べた餌や水の量などの記録は、専用のスマートフォン用アプリでチェックできる。1日単位や1週間単位などでグラフ表示も可能となっており、ネコの健康管理も簡単に行なえる。

 また、このアプリには、CATFiが顔認識システムによってネコを認識するとアラートを表示する機能も用意。さらに、CATFiのカメラで記録した映像をスマートフォンでモニターする機能や、CATFiのカメラ横に取り付けられたスピーカとマイクを利用した音声のやりとりも可能となっている。つまり、遠隔地にいながら、飼いネコが餌を食べている様子をチェックしたり、ネコに声をかけたり、ネコの声を聞いたりといったことまで可能となっているわけだ。

 2014年からクラウドファンディングで出資を募るなどしていたが、このたび一般予約が開始された。予約特価は199ドル、米国市場での通常販売価格は249ドルになるという。日本での発売については、日本での飼いネコの多さもあり、代理店と販売に向けて協議中とのことだ。

餌と水を入れるタンクがあり、餌や水を自動で供給。ネコ工学を駆使したネコに優しい本体デザインを採用
ネコが近付くと、このトレイに餌や水が自動で供給される
餌トレイの奥にはカメラが搭載され、ネコの顔認証機能によって複数のネコを見分け、それぞれに合った量の餌や水を供給するとともに、食べた餌や水の量も記録
ネコの顔認証のイメージ映像。複数のネコをきちんと区別できる
餌トレイの手前には体重計が備えられ、日々のネコの体重が記録される
食べた餌の量や水の量、体重は、スマートフォンアプリでチェック可能。もちろん複数のネコごとにチェックできる
このようにグラフ形式でのチェックも可能だ
CATFiが顔認証でネコを認識すると、スマートフォンなどにアラートを表示。CATFiのカメラが捕らえる映像を見たり、ネコに声をかけたりネコの声を聞くことも可能だ

(平澤 寿康)