イベントレポート

Acer、79ユーロでWindows 10へのアップグレードを保証したスマホ

~日本で発売済みのLiquid Z200の後継機も発表

Acerが発表した79ユーロのLiquid M220、同社としては初めてのWindows Phoneとなる

 Acerは、近年スマートフォン、タブレット事業にも力を入れており、日本でも「Liquid Z200」というAndroidスマートフォンを、ブックオフ各店で販売している。Acerは、伝統的に欧州に強いブランドで、ノートブックPCでも大きなシェアを持っているが、スマートフォンビジネスでも新興国と欧州に力を入れており、欧州向けの展示会(MWCやIFAなど)で最新製品を発表することが多い。

 そのAcerは、3月2日(現地時間)より開催されるスペイン カタロニア州バルセロナで開催されるMWC(Mobile World Congress)に併せて記者説明会を開催し、同社の最新スマートフォンを公開した。

 中でも注目されたのは、同社としては初めてWindows Phoneを搭載した「Liquid M220」で、4型ディスプレイ(WVGA)、500万画素背面/200万画素前面カメラ、3Gモデムなどを搭載。79ユーロ(約10,500円)という低価格な設定がされており、現在はWindows Phone 8.1 Updateを採用しているが、今年中(2015年)にがリリースされるWindows 10へのアップグレードも予定されている。

 このほか、ほぼ同じハードウェアを搭載してAndroid 5.0を搭載している「Liquid Z220」、5型ディスプレイを搭載している「Liquid Z520」、5型IPS液晶(HD解像度)を搭載しているLiquid Jade ZなどのAndroidスマートフォンなども同時に発表された

79ユーロのWindows Phone 8.1搭載スマートフォン

 Liquid M220は、OSにWindows Phone 8.1 Updateを搭載したWindowsスマートフォンで、Windows 10がリリース後にはWindows 10へアップグレードできることがアナウンスされている。最大の特徴は価格で、79ユーロ(日本円で約10,500円、税別以下同)という低価格な設定になっていることだ。従来のWindows Phoneは、Microsoftがハードウェアの構成などを細かく規定していたため、高い価格帯の製品がほとんどだったが、昨年(2014年)のMWCでその制限が撤廃され、中小のODMメーカーが参入できるようになり、OEMメーカーも製品化が容易になった。AcerのLiquid M220もそうした流れの中で出て来た製品だと言える。

 ハードウェアのスペックは非常にシンプルで、4型のWVGAディスプレイ、3Gモデム、背面500万画素、前面200万画素のカメラ、QualcommのSnapdragon 200、1GBメモリ、8GBの内部ストレージを搭載。microSDカードスロットを利用してストレージを増設できる。価格を考えれば、ハードウェアとしては相応のスペックだ。

 Acerの関係者によれば、今回の発表はあくまで欧州向けで、4月より欧州の一部地域において販売開始される。日本などの地域での発売については未定とのことだったが、日本でもMVNOキャリアの興隆により、低価格なSIMフリー機の市場ができあがりつつあるだけに発売に期待したいところだ。

見た目は非常にシンプルで、WindowsボタンがなければAndroidスマートフォンかと思ってしまう外観
現在のOSはWindows Phone 8.1Update、Windows 10リリース以降にWindows 10へのバージョンアップがアナウンスされている
裏蓋を開けるとmicroSIMカードスロットとマイクロSIMスロットがあった
オプションでフリップケースが用意されている
背面はカーボン柄になっているが、実際には樹脂製
端子はMicro USBとヘッドフォン端子のみとシンプル
電源ボタンとボリュームボタン

日本でも発売されているLiquid Z200の後継機となるLiquid Z220

 Liquid M220とほぼ同じハードウェアでAndroid版となるのが、Liquid Z220だ。4型のWVGAディスプレイ、3Gモデム、QualcommのSnapdragon 200、1GBメモリ、8GBの内部ストレージで、microSDカードスロットというスペックはほぼ同じで、見た目もほぼ同じになっている。違いは2つあり、OSがAndroid 5.0になっていることと、デュアルSIMに対応していることだ。

 Liquid Z220の5型ディスプレイ版がLiquid Z520で、ディスプレイが5型になっている以外では、背面カメラが800万画素で、DTS Studio Soundに対応していることが大きな違いとなる。価格はZ220が89ユーロ(日本円で約12,000円)で3月販売開始、Z520が109ユーロ(日本円で約14,600円)で4月販売開始となっており、やはり日本を含む欧州地域以外での発売は未定とのことだった。

 「Liquid Jade Z」は、5型のIPS液晶(HD解像度)を搭載したスマートフォンで、MediaTekの64bitクアッドコアSoC、1,300万画素の背面カメラ(F値1.8)、500万画素の前面カメラ(F値2.2)というスペックで、110gと軽量で7.9mmと薄型のボディが特徴となる。モデムはLTEに対応している。欧州での価格は199ユーロ(日本円で約26,700円)で、欧州の一部地域で3月より発売される。こちらも日本を含む欧州地域以外での発売は未定とのことだった。

左がAndroid版のZ220、右がWindows版のM220。ハードウェアはほぼ同じであることが分かる
Z220のOSはAndroid 5.0だった
Z520のOSはAndroid 4.4.4がOSとして採用されていた
Z220、Z520はデュアルSIM対応となっていた
左がZ220で、右がZ520
Liquid Jade Z、5型のIPS液晶が採用されている
OSはAndroid 4.4.4だった
端子はmicroUSBとヘッドフォン端子
SIMスロットはちょっとユニークで、microSDカード(右)とNano SIMを同時に装着する仕様

(笠原 一輝)