イベントレポート

COMPUTEX会場で見かけた小型PCや自作用ケースなど

会期:6月3日~7日(現地時間)

会場:Taipei World Trade Center Hall 1,3, NANGANG Exhibition Hall

Taipei International Convention Center

 本稿では、COMPUTEXの会場で見かけた小型PCベアボーンや特徴的な周辺機器、PCケースなどをまとめて紹介する。

ZOTAC

「ZBOX CA320 nano」

 ZOTACブースでは、超小型ベアボーンPC「ZBOX」シリーズの新モデル「ZBOX IC320 nano」が展示されていた。

 ZBOX IC320 nanoの最大の特徴は、完全ファンレス仕様を実現している点だ。ケースは全体が金属製となり、ケースの上部や下部、側面に多数のハニカム状の凹凸や穴を用意することにより、ケース自体の放熱と自然な空気の流れによる放熱によって、効率良く内部の熱を外部に放出できるようになっている。従来モデルはトップに円形のイルミネーションが用意されるなどの特徴があったが、新ZBOXではイルミネーションが省かれ、本体色もブラックで統一されたことで、印象が大きく変わっている

 搭載CPUは、Celeron N2930。メモリスロットはSO-DIMMスロットが1本で、DDR3L-1333を最大8GB搭載可能。内部には2.5インチベイを備え、2.5インチHDDやSSDを搭載できる。また、IEEE 802.11ac準拠の無線LANとBluetooth 4.0も標準搭載される。ZBOX IC320 nanoは、日本での発売も予定しており、発売時期は7月頃を予定。価格は未定だ。

 なお、このファンレス仕様のケースを採用する製品としては、ZBOX IC320 nano以外に、CPUにCore i3-4020Yを採用する「ZBOX CI520 nano」や、Core i5-4210Yを採用する「ZBOX IC540 nano」、AMD A6-1450を採用する「ZBOX CA320 nano」といったバリエーションモデルも用意される。もちろん、これらも全てファンレス仕様となるため、静音性を追求できる超小型ベアボーンPCとして注目の存在となりそうだ。これらも順次日本で発売したいとのこと。

ZBOX IC320 nano

 また、今年1月のCESで公開された球形ボディのベアボーンPC「ZBOX Sphere OI520」も展示。こちらはCESで展示されていたものと若干仕様が変更されており、CPUがCore i5-4200Uに強化されていた。それ以外の仕様は変わっておらず、メインメモリは最大16GBまで搭載でき、内蔵ストレージはmSATAおよび2.5インチドライブを1台搭載可能。IEEE 802.11ac準拠の無線LANとBluetooth 4.0も標準搭載し、4K出力もサポートする。こちらも7月上旬頃に日本での発売を予定しており、価格は未定とのことだ。

ZBOX Sphere OI520

Corsair

 Corsairは、キューブ型microATX/Mini-ITXケースやRadeon R9 290搭載ビデオカード用の水冷化アダプタ、超高速USBメモリなどを公開した。

 まず、キューブ型microATX/Mini-ITXケース「Carbide Air 240」。昨年(2013年)のCOMPUTEXに合わせて発表されたE-ATX対応キューブ型ケース「Carbide Air 540」 のバリエーションモデルで、microATX/Mini-ITX対応の小型モデルとなる。ただ、小型とはいってもmicroATX仕様のタワーケース同等以上のサイズがある。反面内部にはかなりの余裕があり、ハイエンドゲーミング仕様のパーツも余裕で搭載できるのはもちろん、280mmの水冷ラジエータも問題なく装着できる。

 内部の構造はCarbide Air 540と同様に左右独立のスペースを確保したデュアルチャンバ構造を採用し、左側にマザーボードやビデオカード、右側に電源ユニットやストレージデバイスを装着可能となっている。また、前方から後方に直線的なエアフローを確保し、ハイエンドパーツも効率良く冷却可能。縦置き、横置きどちらにも対応でき、側面は透明アクリルで内部の装飾も自在だ。価格は未定ながら日本でも発売を予定しており、夏頃に発売したいとのことだ。

Carbide Air 240

 次に、Radeon R9 290/290X搭載ビデオカード用水冷化アダプタ「HG10」。リファレンスデザインのRadeon R9 290/290X搭載ビデオカードに対応し、Corsair製のCPU用簡易水冷キットを装着してGPUを強力に冷却できるようにするためのもの。製品には水冷キットは付属せず別途用意する必要があるものの、自由に水冷キットを選択できる点が魅力。リファレンスデザインの空冷仕様と比べてGPUの温度を大幅に低くでき、高負荷時でもGPUの動作クロックが低くなることがなく、最大限のパフォーマンスを引き出せるという。

 実際にGPUに高負荷のかかる「FurMark」を実行したデモでは、空冷の状態でGPUの温度が94℃、GPUの動作クロックが890MHz前後だったのに対し、HG10を利用した水冷化の場合では、GPUの温度が50℃、GPUの動作クロックが1,050MHzと、温度は40℃以上低く、動作クロックの低下も見られなかった。また、HG10にはリファレンスデザインのカードに搭載されているファンを装着し、メモリや電源レギュレータの冷却用として活用できるようになっているとのこと。こちらも価格は未定ながら日本でも発売を予定しており、夏頃に発売したいという。

HG10

 最後にPCパーツではないが面白い製品が発表されたので紹介する。それは、USBメモリ「Voyager GTX」シリーズだ、USB 3.0対応のUSBメモリで、容量は128GBと256GBをラインナップする。この製品の最大の特徴となるのがアクセス速度で、リード450MB/sec、ライト360MB/secとSSDに匹敵する速度を実現している。実際にATTO Disk Benchmarkの結果でもリード460MB/sec前後、ライト325MB/sec前後と、ほぼスペック通りの結果となっていた。内部のシステムはほぼSSDと同じとなっているそうで、見た目はUSBメモリではあるが、USB 3.0接続のSSDと考えて差し支えなさそうだ。

 4K動画を始め、大容量データを扱う機会が多くなっている現在、USBメモリを利用したデータの受け渡し時などのデータコピーに時間がかかる場面が増えている。しかしVoyager GTXを利用すれば、大容量データも短時間で転送でき、作業効率を高められる。もちろん、OSブート用としても十分に活用可能。こちらも7月中に日本で発売したいとしている。価格は未定だが、USBメモリとしては高価になりそうとのことだ。

Voyager GTX

Enermax

 Enermaxは、ファンレスの550Wデジタル電源「DIGIFANLESS 550W」を展示。ファンレス仕様ながら、環境温度40℃のもとで550Wの出力を実現する点が大きな特徴。また、デジタル方式の電源回路を採用するとともに、専用ユーティリティを利用して消費電力や変換効率のチェック、細かな電力制御などが行なえる。80PLUS Platinumに準拠する優れた変換効率や、日本製高品質コンデンサの採用など品質へのこだわりも特徴。接続ケーブルはフルモジュール式で、従来の製品よりスリムなケーブルを採用することによってケーブルの取り回しも向上しているという。発売時期は8月末か9月頃を予定しており、価格は2万円をやや超える程度になりそうとのことだ。

DIGIFANLESS 550W

SilverStone

 SilverStoneは、アルミ製のPCケース新モデルを展示していたが、その中で最も尖った製品が、NUC用ケース「PT19」だ。Intelが提唱する超小型PCフォームファクタ「Next Unit of Computing」(NUC)に対応する小型ケースのプロトタイプで、プロジェクタを内蔵する点が大きな特徴。

 プロジェクタの仕様は表示解像度がWXGA(1,280×800ドット)で、40型相当から最大300型相当で映像を投影可能という。ケース背面にはプロジェクタ用のHDMI入力とアナログRGB入力が用意され、ケースに搭載したNUCマザーボードの映像出力と接続することで、単体でPCの映像表示が可能となる。映像入力端子があるため、搭載したNUCマザーボードだけでなく、ほかのPCや映像機器の映像も表示できる。発売時期は未定で、来年(2015年)になるのではないか、とのことだ。

PT19

In Win

 メタルフレームを重ね合わせた「H-Frame」や、アルミフレームを強化ガラスで覆った「tou」など、例年斬新なデザインのPCケースを発表しているIn Win。今年もまた新たなケースを発表。それが「S-Frame」だ。S-Frameは、アルミフレームと強化ガラスで構成されたオープンフレームケースとなっているが、最大の特徴となるのがアルミフレームの形状だ。厚さ4mm、長さが2m以上あるアルミの1枚板を、15の行程で折り曲げて成型しており、PCケースとは思えないような、これまでにない造形美を醸し出している。また、塗装にもこだわっており、とことんまで美しさを追求したとのこと。

 対応フォームファクタはATXで、I/Oパネル部が上になる向きに装着して利用する。底面には120mmのファンを3基装着できるとともに、360mmの水冷ラジエータも装着できる。ドライブベイは3.5/2.5インチベイを4個備える。発売時期は今年の夏頃を予定しており、北米での価格は799ドル前後とのこと。

S-Frame

 次に、アルミパイプと強化ガラスを組み合わせたオープンフレームケース「D-Frame」の新モデル「D-Frame mini」。発売済みのD-FrameはATX対応だったのに対し、こちらはMini-ITX対応の小型モデルとなる。Mini-ITXケースとしてはやや大きい部類だが、それだけ内部には余裕があり、ATX電源も搭載できる。重量も軽く、上部の取っ手を掴んで簡単に持ち運び可能。縦置き、横置きも自在となっている。こちらも今年(2014年)の夏までに発売を予定しており、北米での価格は349ドル前後。

D-Frame mini

Lian Li

 Lian Liからは、日本でも出荷が間近に迫っている机(デスク)型PCケース「DK01」のバリエーションモデルが登場。「DK-02X」は、面積がDK01の2倍ほどはあろうかという非常に大きなデスク型PCケース。DK01を見たヨーロッパのバイヤーからの、“もっと大きなサイズはないのか”という声を受けて開発されたとのこと。内部にはExtended ATX仕様のマザーボードとMini-ITX仕様のマザーボードを搭載でき、同時に2台分のPCシステムを内蔵できる点もDK01にはない特徴。また、3.5インチドライブベイもE-ATX側が9個、Mini-ITX側が8個と非常に豊富だ。120mmファンを最大8個装着できるので、冷却能力も万全だ。

 デスク手前にはキーボードやマウスを置くテーブルを設置したり、側面にキーボードやヘッドフォンを収納するアタッチメントも取り付け可能。液晶アームスタンドは最大3基取り付けられるようになっており、多数の液晶ディスプレイを利用する用途にも柔軟に対応できる。サイズは1,250×600×835mm(幅×奥行き×高さ)、重量は45kg。トップガラスは80kgの耐荷重がある。

DK-02X
DK-02X

【6月10日修正】初出時、DK-02Xの国内販売の予定がないと記載しておりましたが、5月より予約受け付けを開始しておりましたのでので、該当箇所を修正いたしました。詳しくは僚誌AKIBA PC Hotline!のこちらの記事をご参照ください。お詫びして訂正いたします。

 デスク型PCケースのバリエーションモデルとしては「DK-Q1X」も展示されていた。こちらは日本向けに開発された座卓タイプのデスク型PCケースだ。サイズは700×600×530mm(幅×奥行き×高さ)と、DK01より幅が100mm小さく、高さも低くなっている。対応マザーボードはExtended ATXで、ドライブベイは3.5インチ×5、2.5インチ×2。120mmのファンを最大7個装着可能。こちらは8月頃の発売を予定しており、日本での価格は13万円前後になるとのこと。

DK-Q1X

 最後に、いわゆる“まな板”タイプのオープンフレームケース新モデル「PC-T80」。まな板ケースの使い勝手を高めるとこうなった、といった雰囲気の製品で、特徴はファンを搭載するトップフレームとマザーボード装着フレームを自由に置き換えられるという点。ケースには上部と中央付近に2本のパイプが用意され、そのパイプに合わせてトップフレームとマザーボードフレームを自由に入れ替えて装着できる。また、マザーボードフレームを上下に2枚配置すれば、2枚のマザーボードの同時利用も可能になるという。システム構成を頻繁に変更しながら各種テストを行なうといった用途に最適だろう。

PC-T80

(平澤 寿康)