イベントレポート

LG、多数の最新スマートフォンやLTE対応コンバーチブルノートを展示

会場:スペイン バルセロナ Fira Gran Via

会期:2月25日~28日(現地時間)

 LG Electronicsブースでは、多数のスマートフォン新機種や、LTE通信機能を内蔵するWindows 8コンバーチブルノートPCなどを展示した。

Optimus G Proグローバルモデル

 「Optimus G Pro」は、LG Electronicsのフラッグシップスマートフォン「Optimus G」シリーズの最新モデルだ。日本では発表済みで、4月にNTTドコモから発売予定(Optimus G Pro L-04E)となっているが、韓国では販売が始まっており、その後順次グローバルで発売される予定となっている。

 Optimus G Proグローバルモデルの特徴は、5.5型のフルHD IPS液晶を搭載する点だ。日本向けモデルでは、5型フルHD液晶を搭載するのに対し、グローバルモデルでは一回り大きな液晶を採用している。ドット密度は400dpiと、5型フルHD液晶よりもやや劣るものの、実際に文字や映像を見ても、違いはほとんど分からない。そして、5.5型液晶搭載に伴い、本体サイズも日本向けモデルより若干大きく、76.1×150.2×9.4mm(幅×奥行き×高さ)となっている。実際に横に並べてみると、グローバルモデルはかなり大きく感じられる。ただし、本体の厚さのみ、日本向けモデルの方が厚くなっている(9.9~10.1mm)が、これは防水などの日本向けの機能を搭載しているためとしている。

 日本向けモデルとグローバルモデルとの違いは、本体および液晶サイズに加えて、ワンセグやおサイフケータイなどの日本向け機能の有無、バッテリ容量などとなっており、それ以外の仕様は基本的に同じ。プロセッサはQualcommのクアッドコアプロセッサ、Snapdragon 1.7GHzを採用し、メモリ2GB、ストレージ32GB搭載。カメラ機能は1,300万画素背面カメラ、210万画素前面カメラを搭載する。OSはAndroid 4.1だ。バッテリ容量は、グローバルモデルが3,140mAhと、日本向けモデルより若干大容量となっている。

Optimus G Pro
Optimus G Proのグローバルモデル。発表済みの日本向けモデルと異なり、一回り大きい5.5型フルHD IPS液晶を搭載する点が大きな特徴だ
日本向けモデル(左)との比較。液晶サイズが大きいため、フットプリントもグローバルモデルの方がやや大きくなっている
フットプリントはグローバルモデルの方が大きいが、高さはグローバルモデルの方が薄い。日本モデルでは防水などに対応させるために高さが増しているそうだ
下部側面
左側面
上部側面
右側面
裏面。液晶や本体のサイズ、日本向け機能の有無、バッテリ容量などは異なるものの、搭載プロセッサをはじめとした基本的なスペックは、日本向けモデルもグローバルモデルもほぼ同等だ

 また、720×1,280ドット表示対応の4.7型液晶を搭載する「Optimus G」のグローバルモデルも展示されていた。日本などではすでに2012年秋以降に発売済みだが、欧州ではこれから発売されるそうだ。

 スペックは日本向けモデルとほぼ同じ(日本独自機能は省かれている)だが、サイズは68.9×131.9×8.45mm(幅×奥行き×高さ)と、Optimus G Proとは逆にグローバルモデルの方がやや小さくなっている。理由は、防水やワンセグ、赤外線などの日本向け機能を省略したためだそうだ。また、Optimus Gでは搭載する部材も日本向けとグローバルモデルで異なっているそうで、例えばグローバルモデルでは、液晶パネル、カメラモジュール、バッテリはLG製の部材を使っているのに対し、日本向けモデルでは、液晶はジャパンディスプレイ製、カメラはソニー製、バッテリはパナソニック製というように、日本製の部材が多く採用されているという。この辺りは、日本市場を意識してのことで、日本市場向けの製品では品質を高めて発売することが多いそうだ。

Optimus G
4.7型HD液晶搭載の「Optimus G」のグローバルモデル。日本をはじめ、発売済みの地域もあるが、欧州ではこれから発売となる
搭載液晶は、720×1,280ドット表示対応の4.7型液晶と同じだが、日本向けモデル(左)の方がやや大きくなっている。これは、日本向けモデルでは防水に対応させるとともに、赤外線など日本向け機能を搭載するためだそうだ
高さも日本向けモデル(左)の方がやや厚い

Optium F、Optimus L IIシリーズ

 「Optiums F」シリーズは、ミドルレンジ向けLTE対応スマートフォン。ブースでは、4.7型液晶搭載の「Optomus F7」と、4.3型液晶搭載の「Optomus F5」の2機種が展示されていた。双方の違いは、液晶サイズと表示解像度、搭載プロセッサ、内蔵メモリ容量などとなっている。日本での発売予定は、現時点ではないそうだが、今後Optimus Fシリーズをベースとしたミドルレンジスマートフォンの新モデルを投入する可能性も考えられるとしている。

 また、「Optimus L II」シリーズは、アジアや南米などの新興市場向けの低価格シリーズだ。こちらは、液晶サイズや搭載CPUの異なる3モデルがあり、それぞれにシングルSIMスロットタイプと、デュアルSIMスロットタイプの「Optimus L II DUAL」シリーズが用意される。

 Optimus FおよびOptimus L IIシリーズは、写真でまとめて紹介する。

Optimus F7
720×1,280ドット表示対応の4.7型液晶を搭載する「Optimus F7」。1.5GHzのデュアルコアプロセッサを搭載し、メモリは2GB、ストレージは8GB。LTEに対応し、高速なデータ通信が可能。バッテリ容量は2,540mAh
下部側面
左側面。高さは9.6mm
上部側面
右側面
裏面。フットプリントは68.2×131.7mm(幅×奥行き)。カメラ機能は、800万画素の背面カメラと、130万画素の内側カメラを搭載する。裏面カバーにはラメのような模様が入っており、女性向けという印象だ
Optimus F5
こちらは、540×960ドット表示対応の4.3型液晶搭載「Optimus F5」。1.2GHzのデュアルコアCPU、ストレージ1GBと、スペックはOptiums F7より若干劣るが、こちらもLTE対応で、快適なデータ通信が行なえる
下部側面
左側面。高さは9.3mmと、Optimus F7より若干薄い
上部側面
右側面
裏面。こちらは、Optimus F7のようなラメの装飾はなく、シンプル。バッテリ容量は2,150mAh
Optimus F5(左)とOptimus F7(右)の比較。サイズがひと回り異なっていることが分かる。また、F7はホームボタンが物理ボタンだが、F5はセンサーとなっている
Optimus L7 II/DUAL
新興市場向けOptimus L IIシリーズ最上位モデル「Optimus L7 II」。480×800ドット表示対応の4.3型液晶搭載。プロセッサは、QualcommのMSM8225(1GHz)を採用。メモリは768MB、ストレージは最大4GB
下部側面
左側面。高さは9.7mm
上部側面
右側面
裏面。フットプリントは66.6×121.5mm(幅×奥行き)。800万画素の背面カメラとVGA(約30万画素)解像度の内側カメラを搭載。バッテリ容量は2,460mAhと大容量だ
こちらは、SIMスロットを2本備える「Optimus L7 II DUAL」。奥行きが122.2mmと若干長くなり、ホームボタンがセンサーとなっている以外は、Optimus L7 IIと仕様は同じだ
Optimus L5 II/DUAL
480×800ドット表示対応の4型液晶を搭載する「Optimus L5 II」。プロセッサは、MediaTekのMT6575(1GHz)を採用。メモリは512MB、ストレージは最大4GB
本体サイズは、62.2×117.5×9.2mm(幅×奥行き×高さ)。裏面に500万画素カメラを搭載。バッテリ容量は1,700mAh
こちらは、デュアルSIMモデルの「Optimus L5 II DUAL」。L7 II同様に、奥行きが若干長くなり、ホームボタンがセンサーとなっている
Optimus L3 II/DUAL
240×320ドット表示対応の3.2型液晶を搭載する「Optimus L3 II」。プロセッサはシングルコアのMSM7225AB(1GHz)を採用し、メモリは512MB、ストレージは最大4GB。さすがに動作はやや重い
液晶サイズが小さいこともあり、本体も非常にコンパクト。バッテリ容量は1,520mAh
デュアルSIMモデルの「Optimus L3 II DUAL」。こちらも奥行きがやや大きく、ホームボタンがセンサーとなる

LTE通信機能搭載のコンバーチブル型Windows 8ノート「Tob-Book LTE」

 LGブースには、液晶面をスライドさせることで、ピュアタブレットとしてもクラムシェル型ノートとしても利用できる、コンバーチブル型Windows 8ノートPC「Tob-Book LTE」も展示されていた。

 こちらは、1月のCESで展示されていた「Tob-Book」シリーズのバリエーションモデルで、LTE機能を搭載するのが大きな相違点。任意の場所でLTEによる高速通信が行なえるため、モバイル性に優れる製品となっている。

 それ以外の仕様は、CESで展示されていたものとほぼ同じとなっており、CPUがAtom Z2760(1.8GHz)、メモリ2GB、ストレージ64GB(eMMC)となる「Tab-book H160」をベースとするモデルと、CPUがCore i5-3317U(1.7GHz)、メモリが8GB、ストレージが128GB SSDとなる「Tab-book Ultra Z160」をベースとするモデルが用意される。本体サイズは、フットプリントは双方とも286×192mm(幅×奥行き)だが、高さはAtom搭載モデルが15.9mm、Core i5搭載モデルが19.4mmとなる。

 ブースに展示されていたのは、残念ながらLTE搭載モデルではなく、Core i5搭載の通常モデルのみとなっていた。Tob-Book LTEは、すでに韓国で発売されているそうだが、非常に売れ行きがよく、展示機を確保できなかったそうだ。韓国での通常モデルとLTEモデルとの価格差は20万ウォン(約17,000円)のため、多くのユーザーがLTEモデルを選んでいるそうだ。

 Tob-Bookシリーズは、今回展示されたTob-Book LTEも含め、日本での発売予定はない。ただ、完成度はなかなか高いため、日本での発売も検討してもらいたい。

Tob-Book LTE
LTE機能を内蔵するコンバーチブル型Windows 8ノート「Tob-Book LTE」。韓国ではすでに発売中だが、それ以外の地域での発売予定は未定
液晶面をたたむとピュアタブレットスタイルで利用できる。液晶は、LTE非搭載モデルと同じ、1,366×768ドット表示対応の11.6型IPS液晶だ
左側面のボタンを押すと液晶部がバネの力で自動的に開き、クラムシェルスタイルのノートPC風に利用できる
キーボードはアイソレーションタイプ。ストロークは浅く、タッチは軽い。ポインティングデバイスは備えない
液晶を開いて裏から見た様子
Core i5搭載モデルの、液晶を閉じた状態での本体サイズは、286×192×19.4mm(幅×奥行き×高さ)。Atom搭載モデルは、高さが15.9mmと薄くなる

(平澤 寿康)