イベントレポート

NVIDIA、デスクに置ける小型AIスパコン「Project DIGITS」。新チップ「GB10」搭載

Project DIGITSを手に持つNVIDIA CEO Jensen Huang氏

 NVDIAは、Arm CPUとNVIDIA GPUを組み合わせた新チップ「GB10 Grace Blackwell Superchip(GB10)」、およびこのGB10を搭載した小型高性能コンピュータ「Project DIGITS」を発表した。Project DIGITSはパートナーを通じて5月に販売開始予定で、価格は3,000ドルから。

 GB10は、NVIDIAのGrace BlackwellアーキテクチャをベースとしたSoC。Armベースの効率コア20基によるGrace CPUと、最新世代のCUDAコアや第5世代Tensorコアを備えるBlackwell GPUを、独自のチップ間インターコネクトのNVLink C2Cで繋いだチップで、FP4で1PFLOPSの演算性能を発揮できるという。MediaTekとの協業で設計され、クラス最高の電力効率、性能、接続性を実現したとしている。

Huang氏が右手に持っているのがGB10
Grace CPU
広帯域のユニファイドメモリやコヒーレントキャッシュも搭載
Blackwell GPU
チップ間はNVLink C2Cで接続される

 Project DIGITSは、このGB10をデスク上にも設置できるコンパクトな筐体に収めたコンピュータ。一般的なコンセントからの電源で動作できる設計で、同社では世界で最小のAIスーパーコンピュータだと説明している。

 GB10に加え、128GBの広帯域ユニファイドメモリや最大4TBのNVMeストレージを搭載し、最大2,000億パラメータの大規模言語モデル(LLM)を動作させることが可能。さらに、同社のネットワーク技術であるConnectXと組み合わせて2台のProject DIGITSをつなぐことで、最大4,050億パラメータのLLMまで対応できるとしている。

Project DIGITS
GB10のほかに、128GBのユニファイドメモリや4TBのSSDなどを搭載できる
デスクの上に置けるコンパクトさも特徴。2台つないで使うことも可能

 それ以外にも、高い処理性能と同社の提供するAIソフトウェアライブラリを利用することで、ローカル上でAIモデルのファインチューニングやテスト、プロトタイピングといった用途への活用も可能だとしている。