イベントレポート

AMD、65W版Ryzen 7000を1月10日発売。最廉価モデルは229ドルから

Ryzen 9 7900

 AMDは、1月5日(米国時間)に開幕する予定のCESの前日基調講演(1月4日夕刻、日本時間1月5日昼頃)にて、同社CEOのリサ・スー氏が登壇し、昨年(2022年)8月に発表したデスクトップPC版の「Ryzen 7000シリーズ・デスクトップ・プロセッサ」(以下Ryzen 7000シリーズ)の65W版を発表した。

 今回発表されたのは12コア/24スレッドのRyzen 9 7900、8コア/16スレッドのRyzen 7 7700、6コア/12スレッドのRyzen 5 7600で、それぞれ429ドル、329ドル、229ドルの市場想定価格で、1月10日にグローバルに販売が開始される計画だ。

Zen 4コアのRyzen 7000シリーズをTDP 65Wに再定義

CPUファンがリテールボックスのバンドルされる

 AMDは昨年の8月に開発コードネーム「Zen 4」で知られるマイクロアーキテクチャを採用した最新デスクトップPC向けCPU Ryzen 7000シリーズを発表、9月28日からグローバルに販売を開始した。

 その時点で発表されたRyzen 7000シリーズは、CPUのモデルナンバーの末尾に「X」が付く、ゲーミングやオーバークロックなどを意識したTDP 170W(下位モデルは105W)の製品で、4つのSKU(Ryzen 9 7950X、Ryzen 9 7900X、Ryzen 7 7700X、Ryzen 5 7600X)が既に市場投入されている。

Ryzen 7 7700
Ryzen 5 7600

 今回発表されたのは、TDPを65Wに設定した製品で、コア数やクロック周波数、および消費電力を抑えめにしたバージョンとなる。基本的なマイクロアーキテクチャ(Zen 4コアを採用、2つのCCDと1つのIODから構成され、IODにはGPUも搭載されている)は共通だ。

 発表されたのは12コア/24スレッドのRyzen 9 7900、8コア/16スレッドのRyzen 7 7700、6コア/12スレッドのRyzen 5 7600という3製品で、具体的には以下のようなスペックになっている。

【表1】TDP65W版Ryzen 7000シリーズのSKU構成
コア/スレッド付属クーラーCPUソケットターボ時最大周波数ベース周波数キャッシュ(L2+L3)PCIeメモリGPU市場予想価格
Ryzen 9 790012コア/24コアWRAITH PRISM(LED)AM55.4GHz3.7GHz76MBGen 5DDR5搭載429ドル
Ryzen 7 77008コア/16コアWRAITH PRISM(LED)AM55.3GHz3.8GHz40MBGen 5DDR5搭載329ドル
Ryzen 5 76006コア/12コアWRAITH STEALTHAM55.1GHz3.8GHz38MBGen 5DDR5搭載229ドル

 「X」が付くTDP 170/105W版のリテールボックスには、CPUクーラーはバンドルされていないが、TDP 65W版のボックス版にはバンドルされており、上位2モデルにはLED付きの「WRAITH PRISM(LED)」が、Ryzen 5 7600にはロープロファイルのWRAITH STEALTHが付属する。

従来世代の「X」付きSKUを上回る性能を発揮

Ryzen 9 7900の性能
Ryzen 7 7700の性能
Ryzen 5 7600の性能

 公開されたAMDのベンチマークデータによれば、Ryzen 9 7900は、前世代(Zen 3世代)のハイエンド製品であるRyzen 9 5900Xをゲームで7~31%、コンテンツクリエーションで12~22%上回るという。

 また、Ryzen 7 7700はRyzen 7 5800Xと比較してゲームで6~30%、コンテンツクリエーションで13~53%上回る性能を発揮し、Ryzen 5 7600はRyzen 5 5600Xと比較してゲームで2~30%、コンテンツクリエーションで16~46%上回る。いずれの製品もAMDのオーバークロックツールである「Ryzen Master」を利用して半自動でオーバークロックを行なうだけでさらに性能を上乗せることができるとAMDは説明している。

販売開始は1月10日から