イベントレポート

LG、大容量バッテリ搭載なのに軽量な14型2in1「LG gram 2-in-1」

「LG gram 2-in-1 (14T90N)」は、72Whという大容量バッテリを搭載ながら1.145kgの軽量性を実現した2in1

 LG Electronicsは、1月5日(現地時間)に報道関係者向けに開催されたプレビューイベント「CES Unveiled Las Vegas」において、「gram」ブランドのノートPCの2020年モデルを展示した。

 gramの2020年モデルはすでに12月に発表されているが(別記事:LG、第10世代Core搭載でゲームも遊べる軽量ノート「gramシリーズ」2020年モデル参照)、今回はそのなかから17型クラムシェルの「LG gram 17 (17Z90N)」、14型2-in-1の「LG gram 2-in-1 (14T90N)」の2製品が展示された。

 LG gramシリーズは、他社製品に比べて大容量のバッテリ(72Whなど)を搭載していながら、1kg前後の軽量性を実現している。この特徴を武器に、じょじょにシェアを伸ばしている製品である。

LG gram 2-in-1

テントモードのLG gram 2-in-1 (14T90N)

 LG gram 2-in-1 (14T90N)は、gramを冠した2in1としては第2世代となる製品だ。前世代のLG gram 2-in-1(14T990)は、CPUは第8世代Coreプロセッサが採用されており、メモリは8GB、ストレージは256GB(SATA接続)が標準スペックになっている。

 LG gramは薄型ノートPCとしてはめずらしく、メモリはオンボードではなくSO-DIMMのかたちで搭載されている。また、ストレージもソケットの形状だ。

 ただ、CRU(カスタマーリプレイサブルユニット)にはなっていないため、LGに送り返して、有償で対応するかたちになるが、メモリなら16GBにアップグレードすることなどが可能だった。つまり仕様に不満が生じた場合、アップグレードできる仕様になっていることが、特徴の1つとなっていた。

 また、gramシリーズ全般に言えることだが、バッテリの容量が同クラスの製品に比べて大容量というのは見逃せない。たとえば、14T990でも72Whのバッテリが搭載されており、同じような2in1が50Wh前後の容量のバッテリを搭載していることと比べると、約1.4倍になっている。それにもかかわらず、他社の2in1よりも軽量で持ち運びに適していた。14T90Nもそうした特徴を踏襲している。

CPUはComet Lake(14nm)の第10世代Coreプロセッサ
デバイスマネージャー
バッテリ容量は72Wh
モダンスタンバイは未対応

 具体的に他社の13~14型級2in1と比較してみよう。52Whを搭載したLenovoの「ThinkPad X1 Yoga Gen 5」は1.35kgから、同じく50Whのバッテリを搭載したDellの「XPS 13 2-in-1(モデル7390)」が1.32kgからとなっており、それらよりもおおむね200g軽いのは、賞賛に値するだろう。

ディスプレイの解像度はフルHD
カメラ
指紋認証

 ディスプレイは14型フルHD(1,920×1,080ドット)の IPS液晶となっており、視認性なども良好でとくに不満を感じたりということはないだろう。ディスプレイ上部にはWebカメラが用意されているが、IRカメラはないため顔認証の機能は利用できないが、指紋認証センサーは用意されているため、Windows Helloの生体認証は利用できる。両方採用することがプレミアムセグメントの2in1デバイスでは当たり前になっているので、この点はちょっと残念だ。なお、AES 2.0に対応したアクティブペンを利用することが可能だ。

 また、最近のプレミアム2in1デバイスでは、LTEなどのセルラーモデムを選択できることが当たり前になりつつある。gramシリーズはまだそうした製品が1つもないというのも残念だ。しかし、逆に言えばそういうこと割り切っているからこそ軽量さを実現していると言える。

本体の左側面
本体の右側面
キーボード
タブレットモード
背面

 CPUは第10世代Coreだが、14nmのComet Lake-Uベースになっている。展示機にはCore i7-10510Uが採用されており、メモリは16GB(DDR4-2666)、ストレージは2つ用意されているM.2 2280を利用して実装するかたちとなる(ストレージは市場などにより異なる)。

17型WQHDを搭載して80Whのバッテリを搭載しながら1.35kgという驚きの重量を実現したgram 17

LG gram 17 (17Z90N)

 LG gram 17 (17Z90N)は17型WQHD(2,560×1,600ドット)のIPS液晶を搭載した17型のクラムシェル型ノートPCだ。こちらも大容量バッテリを搭載していながら、約1.3kgという軽量さを実現している。

 同じような17型の製品は他社もリリースしているが、いずれも1kg台の後半~2kg台だったり、バッテリ容量があまり大きくなかったりする。他社の14型~15型級の製品と同じような重量で、17型液晶と大容量のバッテリを実現していることが、gram 17の特徴だ。

左側面
キーボード
CPUはIce Lake
デバイスマネージャー
ディスプレイはWQHD

 今回展示されたLG gram 17 (17Z90N)も、従来モデル(17Z990)と同じようにそうしたgram 17の特徴を継承している。重量は1.35kgと前のモデルから10g増えただけだが、バッテリ容量は80Wh(従来モデルは72Wh)となっており、従来よりもさらに長時間バッテリ駆動が可能になる。容量にすると11%増えた計算になるので、1割ほどはバッテリ駆動時間が長くなる計算だ。

 CPUはIce Lakeな第10世代Coreプロセッサに強化されている。GPUは従来のIntel UHD Graphicsよりも大幅に性能が強化されたIris Plusになるので、PCゲームなどでの性能が大きく向上するのも強みの1つだ。メモリは最大16GB、そして2つのM.2 2280を利用してストレージを搭載できる点も引き続き同様だ。

 なお、現時点では出荷時期や価格などは明らかになっておらず、製品が販売されたおりに発表される予定だと説明があった。