イベントレポート

【Inter BEE 2019】NHK、厚み0.5mmの畳める30型4K有機ELディスプレイを展示

フレキシブル30型4K有機ELディスプレイの試作機

 国際放送機器展「Inter BEE 2019」が本日(13日)から15日までの期間で開催されている。会場は幕張メッセ国際展示場(千葉県千葉市美浜区中瀬2丁目1)で、開場時間は10時から17時まで。入場料は無料となっている。

NHKとシャープが開発した厚み約0.5mmの30型有機ELディスプレイが展示

 NHK(日本放送協会)のブース(6404)では、同社が11月8日にニュースリリースで発表した、シャープと共同開発の30型フレキシブル有機ELディスプレイが展示されていた。スペックなどに関しては既出の記事(NHKとシャープ、丸めて収納できる重量たった100gの30型4K有機ELディスプレイ)で紹介したとおり、プラスチックフィルム上に有機EL材料を貼付することで、厚み約0.5mで重量約100gという超軽量ディスプレイになっており、丸めて収納できるのも特徴。

 NHKブースの説明員によれば、約2年前より開発がはじまったとのことで、シャープが持つプラスチックフィルムに有機ELを形成する技術をもとに、NHK側では信号処理などの設計を行ない、現在も共同で開発が進められている。

 NHKとしては来たる8K時代を見据え、60型以上といった迫力のある大型ディスプレイを、いかに家庭内に置きやすくできるかが重要になると考えており、従来のガラスタイプでは配送や設置が大がかりになるため、住宅によっては玄関を通すのも難しい。そして今回そのデメリットをなくすための一例として、巻き取り型のディスプレイを考案したという。

 展示品は4K解像度で30型だが、上述のとおり最終的なかたちは8Kディスプレイを考えており、30型パネルを4つ足した60型、もしくはそれ以上の大きさを目指している。展示品の映像入力はSDI(Serial Digital Interface)が使われているとのことだが、製品版ではDisplayPortなどにも対応予定。ただ、まだ動作試験もそれほど進んでおらず、製品版の登場時期については未定という。

 まだまだ改善が必要な箇所が多いという話だったが、画面の発色や色味は見た目は既存の有機ELディスプレイと遜色のない印象で、こうした巻き取り型のディスプレイであれば、部屋が狭くても壁につるすといった置き方もでき、実用化が待ち遠しいところだ。