イベントレポート
AMD未発表のAPU「Ryzen 5 3400G」がライブ展示、ベンチでCPU性能向上を確認
2019年5月31日 18:37
COMPUTEX TAIPEI 2019会場のColorfulのブースにおいて、AMD X570チップセットを搭載したマザーボードのライブデモが公開されている。
ASUSやGIGABYTEといった他社も、PCI Express 4.0の性能のデモのためにX570のライブ展示を行なっていたが、そのシステムにはマウスやキーボードが繋がれておらず、来場者が一切触れられない状態となっていた。しかし、Colorfulのブースのライブデモは来場者が実際に操作できるようになっていた。
今回AMDは、COMPUTEXで第3世代Ryzenを発表したが、すべてGPU非内蔵のモデルとなっていた。しかしブースにあったデモ機は、タスクマネージャーやデバイスマネージャーで確認するかぎり、「Ryzen 5 3400G with Radeon Vega Graphics」となっており、未発表のRyzenデスクトップ版APU(開発コードネームPicassoと見られる)であることがわかる。
デモ機には3DMarkなども用意され、実際にベンチマークを実施してみたところ、以下のデータがとれた。
3DMarkの結果 | ||
---|---|---|
Fire Strike | 2,951 | |
Graphics score | 3,344 | |
Physics score | 12,886 | |
Cmobined score | 972 | |
Cloud Gate | 16,944 | |
Graphics score | 23,136 | |
Physics score | 8,749 |
旧世代のRyzen 5 2400Gのスコアに関しては、以前の三門氏のレビューを参照(GPU内蔵になったRyzenの性能をベンチマーク)していただきたいが、おおざっぱに言ってRyzen 5 3400GのGPU性能はあまり進化しなかった代わりに、CPU性能が31%(Fire StrikeのPhysics score比)から67%(Cloud Gate同)向上している。
タスクマネージャーによれば、ベースクロックは3.7GHzで動作していることがわかる。4コア/8スレッド構成であるのは従来どおり。L1は384KB、L2は2MB、L3は4MBとされている。
そのほかの仕様については一切わからないが、そもそもGPUが変更されていないことから察するに、既存のRyzen 5 2400Gをベースに、CPUとGPUクロックのバランスなどの改良を加え、CPU性能の向上を図ったモデルである可能性が高い。
なお、展示されていたColorfulのX570チップセット搭載マザーボードは、「CVN X570 GAMING PRO V14」という名前で投入される。電源は10フェーズ、メモリはDDR4-3466+対応スロットを4基備えているほか、RTL8118AS-CGによるGigabit Ethernetコントローラを備える。
デザイン面では、GeForce RTX 2080 Advanced OCで取り入れたファン周囲のフレームデザインを踏襲し、組み合わせた場合、システムとしての一体感を高められる。
このほか、ブースではGeForce RTX 2080を搭載した高性能で薄型の一体型PCなども展示し、来場者の注目を集めた。