イベントレポート
【詳報】AMD、7nmプロセスGPU「Radeon VII」を2月7日より発売
~GeForce RTX 2080相当の性能を発揮、価格は699ドル
2019年1月10日 07:16
CES 2019の会期2日目にあたる1月9日(米国時間)、米AMD社長兼CEOのリサ・スー氏が基調講演に登壇し、同社の戦略や新製品などについて説明した。
スー氏によれば、同社がCESの基調講演に登壇したのは今回が初めてということで、今年はAMDの創設50周年になる記念すべき年にふさわしいスタートを切った。
この中で、スー氏はAMDが開発してきた7nmで製造される「Radeon VII(ラデオンセブン)」を発表し、2月7日から税別699ドル(約75,000円)で発売されることを明らかにした。
7nmプロセスルールに微細化された第2世代Vegaアーキテクチャ採用
今回スー氏が公開したのは、7nmプロセスルールで製造される第2世代VegaアーキテクチャベースのGPUとなる。「Radeon VII」というローマ数字が利用された製品名になっており、従来の「Radeon RX 590」のような、RX+3桁数字というスキームからは大きく変わっている。
AMDによれば、Radeon VIIは同社が第2世代Vegaと呼んでいるVegaアーキテクチャの7nmプロセスルール版で、60基のCompute Unit、3,840のストリームプロセッサ、エンジンクロックがベース1.45GHz/ピーク1.8GHz、16GBのHBM2メモリを搭載し、メモリバス幅は4,096bitで最大で1TB/sのメモリ帯域幅を実現している。
演算性能は13.8TFLOPSに達するとしており、前世代のVegaと比較して、ダイエリアあたりのゲーミング性能は1.8倍、メモリ容量は2倍、メモリ帯域幅も2.1倍となっている。
なお、14nmプロセスルールで製造されていたRadeon RX Vega 64のダイサイズが495平方mmだったのに対して、7nmのRadeon VIIは331平方mmとなっている。
性能はGeForce RTX 2080相当だとAMDは主張、価格も2080に合わせた設定に
スー氏が基調講演で公開したデータによれば、NVIDIAのGeForce RTX 2080との比較では、Battlefield5でほぼ同等(2080が61fps、VIIが62fps)、FARCRY5でもほぼ同等(2080が61fps、VIIが62fps)、Strange Bridgeでは2080が73fps、VIIが87fpsを記録したという。
つまりAMDは、Radeon VIIはGeForce RTX 2080と同等か、それを若干上回る程度の性能だと主張している。
それを反映してか、価格はGeForce RTX 2080の市場想定価格である699ドルと同価格に設定されている。
かつ、「バイオハザード RE:2」、「Devil May Cry 5」、「Tom Clancy's The Division 2」という3つのゲームがバンドルされることをスー氏は明らかにしており、それによってRadeon VIIのお買い得感を高めようという狙いがあると見られる。
AMDによれば、Radeon VIIは2月7日から販売される予定で、同社のAIBパートナーやPC OEMメーカーなどのPCに組み込まれて販売が開始される予定だ。