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Cerevo、5,000円を切るIoT向け超小型開発モジュール「BlueNinja」

~気圧、9軸センサー搭載

「BlueNinja CDP-TZ01B」

 株式会社Cerevoは、Bluetooth 4.0 Low Energy(以下4.0 LE)や各種センサーを搭載したIoT開発モジュール「BlueNinja CDP-TZ01B(以下BlueNinja)」の受注を開始した。

 BlueNinjaは、ハードウェア開発者を対象としたCerevoのブランド「Cerevo Maker series」の第2弾となる、IoT開発モジュール。

 ARM Cortex-M4F内蔵の東芝セミコンダクター&ストレージ社製IoT向けSoC「TZ1001」を採用し、加速度センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサーを組み合わせた9軸センサー、および気圧センサーを搭載。そのほか、288KBメモリ、1,024KBフラッシュ、リチウムポリマー電池の充電放電回路などを搭載。また、ボード単体でBluetooth 4.0 LEでの接続にも対応する。

 対応インターフェイスはGPIO/USB(device)/SPI/I2C/UART。本体のサイズは11×37.5×5.1mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約3g。

 販売は同社公式サイトから行なわれ、モジュール単体だけでなく、デバッガ付きブレイクアウトボード同梱の開発キットも発売。価格はそれぞれ4,890円、9,990円。どちらもリチウムポリマー充電池は別売となっている。

 また初回生産分となる先着300個は、ブレイクアウトボードに加えリチウムイオン電池を同梱する特別セットとして9,990円で販売するキャンペーンも行なわれる。

SDカードとのサイズ比
本体とブレイクアウトボード、リチウムポリマー充電池

 都内で開催された製品発表会では、株式会社Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏が登壇。

株式会社Cerevo代表取締役 岩佐琢磨氏

 本製品に関して「4~5年前から構想を持っていた」という岩佐氏は、「従来のIoT製品の試作は、プロトタイピングキットと通信モジュール、センサーなどを組み合わせるなどして行なわれているが、プロトタイピングキットはサイズも大きく、通信モジュールなどとの接続でさらに大型化、高価格になってしまう上、そもそもキット自体が量産向きではない」と指摘。さらに量産化に向かないSoCを搭載していることが多く、量産化にあたりSoCの選定からやり直すケースもあるという。

 しかし、実際に量産品に使用されるチップの場合、単機能だったり、最小発注数量の制限があるなど、試作に使うにはハードルが高いという。

従来のIoTプロトタイピングの流れ
既存のモジュールとプロトタイピングキットの問題

 そこで、BlueNinjaは「より簡単に、かつ量産化までそのまま使える」ことを念頭に開発したと述べた。

 今回SoCにTZ1001を採用した理由については、まず量産向けSoCであること、低消費電力であること、Bluetooth 4.0 LEに対応しており、技適を通過しているといった点を挙げていた。BlueNinjaでは、通過済みの技適に加え、FCCやCEにもすでに申請しており、認証取得予定だという。

 BlueNinjaは、東京都秋葉原にあるDMM.make AKIBAにて設計および製造が行なわれており、発表会の後、実際の製造風景が案内され、デモンストレーションではBlueNinjaの搭載活用例として、スマートフォンから時刻合わせなどができる「スマートニキシー管腕時計」や、フォーミュラカーのように車体の加速度や傾きなどをリアルタイムで監視/分析できる「テレメトリーシステム搭載ミニ四駆」などが披露された。

All-in-one IoT development module「BlueNinja」
設計、製造ともに秋葉原で行なう。数千個を受注するとなれば、海外生産も検討するとのこと
発表会には株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社 ロジックLSI事業部事業部長附の松井俊也氏も登壇。TZ1001の解説を行なった
DMM.make AKIBA内の基板実装エリア。手前の機械で基板にハンダを塗布し、奥の機械でパーツを配置する
ハンダを溶かしパーツを実装。窒素環境下でハンダ付けすることで酸化を防いでいる
左上が基板のみ、左下がハンダ塗布後。右2つは完成品の裏表
ニキシー管腕時計。開発期間は1週間程度とのこと
基板のみの状態。BlueNinjaが載っているPCBは、ニキシー管腕時計用に作成したもの
Apple Watchと比較
テレメトリ-システム搭載ミニ四駆。こちらの開発期間は数日
サーキットを爆走するテレメトリ-システム搭載ミニ四駆
搭載センサーで検知した加速度や角速度、車体方向などをスマートフォンでリアルタイム表示。データを組み合わせ、進行方向や車体の傾き、振動、速度などを計測できる
アプリの画面

(佐藤 岳大)