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シュナイダー、PC連動やネットワーク監視機能を備えるリチウムイオン搭載UPS
~モデムとルーターの時間差リブートなども可能
(2013/5/30 16:54)
シュナイダーエレクトリック株式会社は30日、リチウムイオン電池を採用する家庭向けUPS「APC GS Pro 500」を発表。6月10日に発売する。価格は54,600円。保証を2年延長し5年保証としたパッケージもビジネスユース向けに提供。価格は67,935円。
リチウムイオン電池を採用することで、同社の同容量出力の鉛電池搭載製品に比べ、サイズで2分の1、重量で3分の1へ小型/軽量化。また、500VA(300W)の出力を持つリチウムイオン搭載UPSとしては価格を抑えることで、一般ユーザーにも購入しやすい製品にした。
また、鉛電池搭載製品では廃棄方法が分からないという声が多かったそうだが、リチウムイオン電池であれば、家電量販店などに回収ボックスが用意されており廃棄しやすい点もメリットとして挙げている。
このほか、鉛電池に比べてサイクル寿命が長いことから、UPSとしてだけでなく、日常的に一般的な蓄電池として使用することも提案している。
バックアップコンセント×2口を搭載。うち1個は“マスターコンセント”と呼ばれ、別途2口を搭載する“スマートコンセント”との連動のベースとして機能する。スマートコンセントは、非電力障害時であってもPCと連動してコンセントへの電力供給をオン/オフする。例えば、マスター側にPC、スマート側に周辺機器を接続しておけば、PCに連動して電源供給が制御される。
PCと接続しての、さまざまな制御も可能。PC/MacとUSB接続することで、OS標準の電源管理ユーティリティでバッテリ容量の残量確認などを行なえる。対応OSはWindows XP以降およびMac OS X。
また、ネットワーク接続でアクセスできるWebインターフェイスの設定画面も用意し、UPSや各コンセントのステータス、コンセントごとの電力消費量やCO2排出力、イベントログなどを確認可能。スマートコンセントの設定としては、電力障害時にバックアップ電源を供給しないポートの指定が可能。PCとディスプレイを除いては電源を供給しない設定などを行なうことで、バックアップ駆動時間を延ばせる。
また、ネットワークを監視する「Watchdog」機能を備える。これはスマートコンセントにルーターやモデムを接続しておくことで利用する機能だ。Pingを送ることでネットワーク接続や機器の状態を把握し、途切れた場合にはルーターやモデムの電力供給をオン/オフして強制的に再起動させてくれる。ルーターとモデムを分けて運用している環境では、先にモデムの電源を入れ直した後でルーター側のコンセントを制御するという挙動を行なわせることも可能だ。
内蔵するバッテリの容量は30.36Wh(13.2V/2,300mAh)。おおよその目安として、120WのPCで10分、5Wの無線LANルーターで130分などの数字が示されている。また、蓄電池としてUSB ACアダプタを接続してスマートフォンを充電した場合は1回分、タブレットは約65%の充電が可能としている。
出力波形は疑似正弦波よりも正弦波に近づけた「近似正弦波」にすることで、PFC対応電源での利用も可能。コンセントおよび電話回線の雷サージ保護機能も搭載。
本体サイズは290×191×54mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約2.2kg。
一般家庭の電力意識調査では「特に主婦の不安が大きい」
発表に当たって開催した説明会では、同社代表取締役副社長IT事業本部バイスプレジデントのアルノ・モンディ氏が登壇。
同社は家庭/SOHO規模から大規模まで幅広い市場に製品を展開しているが、今回発表した家庭向けの単相UPSは、国内で500億円規模の市場という。
また、同社が今年4月23日~25日かけて1,000名を対象に実施した、一般家庭における電力意識の調査結果を紹介。今でも40%以上の人が多少なりとも電気障害に対する不安を抱えており、特に主婦は60%を超えるという。
また、約50%がなんらかの備えを行なう予定もしくは検討しているほか、電力がなくなって困ることのアンケートでは、冷蔵庫、照明に次いでPC、ネット接続が来ており、IT系の電力供給に対する関心も高い結果が出ている。
こうした結果に対して、一般ユーザーにも買いやすい価格帯で、管理機能やネットワーク対策機能に優れる本製品を「電源保護に新しい提案をできる製品」とアピールした。