日本HP、省スペースワークステーション「Z200 SFF」
~従来の1/3の体積にNehalem搭載

HP Z200 SFF/CT Workstation

4月15日 発売
最小構成価格:120,225円



 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、日本市場に向けた省スペースワークステーション「HP Z200 SFF/CT Workstation」(以下Z200 SFF)を4月15日に発売する。なお、SFFはスモールフォームファクターの略。

 Z200 SFFは、Intel 3450チップセットがベースで、CPUにNehalemベースのCore i3/i5、Xeon 3400を搭載可能。NVIDIA Quadro FX 380 LPやATI FireProなどのロープロフィールのビデオカードが搭載可能となっている。

 通常の省スペースPCと異なり、ECC付のDDR3メモリを使用するなど、信頼性の高さを重視した仕様が盛り込まれている。また、CAD/CAMを始めとするソフトウェアベンダー(ISV)との協力による動作認証や、ワークステーション専用のサポート窓口、長い製品サイクルなど、通常のワークステーションと同じ体制が用意される。

 また、電源効率89%(80PLUS SILVER認証)の電源や、待機電流を1W以下に抑えるWattSaveテクノロジの搭載などにより、グリーン化を計っており、ENERGY STAR v5認証の構成も可能となっている。

 本体サイズは、100×381×338mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約7.6kg。既存機種のZ200に対して約3分の1の容積となっている。

 価格は、Core i3-530(2.93GHz、ビデオ機能内蔵)、2GBメモリ、250GB HDD、光学ドライブ無し、Windows XP Professional(Windows 7 Professionalダウングレード)の最小構成で、120,225円。

岡隆史副社長日本市場の要請で作られた製品PCとワークステーションの相違点
ワークステーションはサポート体制が異なるワークステーションの用途は広がっているグリーン化は企業向けPCでは欠かせない
最小構成で12万円ちょっと内部はぎっしりという印象

 発表会場では、日本HP 取締役副社長 執行役員 パーソナルシステム事業統括の岡隆史氏が、「省スペースのワークステーションを日本向けに作って欲しいと、ずっとお願いして、ようやく作ってもらえた。ワークステーションは、特殊な存在ではなく、医療を始めとして、さまざまな分野に用途が広がっている。専用サポート窓口の土日祝日対応など、業務で使っていただくための環境も整備したので、これまで使っていただけなかった分野でも活用していただきたい」と述べた。

国内市場のシェア推移ワールドワイドのシェア推移地域別のシェア推移

 また、米HPからワークステーション・グローバル・ビジネス・ユニット ワールドワイド・マーケティング ディレクターのジェフ・ウッド氏も登壇した。「HPはCompaqと合併してから、ワークステーション市場ではDellを追いかけてきたが、ようやく追いつき、逆転もした。いまはこの2社が僅差で競り合いながら市場の大半を占めている状態だ」と市場の状況を概観した。

 続いて、ワークステーションにかかっていた布を取り去るが、これまでの話ほど小さくはない。実は、このワークステーションはケースだけで、ウッド氏は、その中から本物のZ200 SFFを取り出した。Z200 SFFの小ささを印象づけるために、わざわざ米国から持参したという。

ベールを取られたワークステーションは意外に大きい実は、中に本当のZ200 SFFが入っていたケースの内部はちゃんと保護材が貼ってある
なんとフタにまで保護材が貼ってある。一瞬のプレゼンのために、かけている手間がすごいこんなに小さくなりました工具無しで簡単に内部がさわれると嬉しそうに説明する

それぞれがZ200 SFFを持ってツーショット。さすがに重そうだった

 ウッド氏はZ200 SFFを持ちながら、「HPのワークステーションは市場では“一番”になります」と述べて、スピーチを締めくくった。また、質疑応答の席でも、「このサイズでこの冷却効率は、他社には真似できない」と技術への自信を見せた。

 実は、この日のモデルチェンジは、既存のZシリーズワークステーション全体に及んでいる。また、IPS液晶を搭載しながら、省電力設計の22型と24型の液晶ディスプレイも発表されている。しかし、発表内容は完全にZ200 SFFに絞り込まれており、この機種にかける日本HPの力の入れ方が並々ならぬ物であることを感じさせた。

(2010年 4月 7日)

[Reported by 伊達 浩二]