弥生、Windows 7に完全対応した「弥生10シリーズ」を12月発売

Windows 7に完全対応した「弥生10シリーズ」を一斉発売

12月4日 発売
価格10,500円~



 弥生株式会社は、Windows 7に完全対応した業務ソフトパッケージ「弥生10(イチゼロ)シリーズ」の新製品として、「弥生会計10」(スタンダード=42,000円、プロフェッショナル=84,000円~)、「弥生販売10」(スタンダード=42,000円、プロフェッショナル=84,000円~)、「弥生給与10」(84,000円)、「やよいの青色申告10」(10,500円)、「やよいの給与計算10」(21,000円)を12月4日発売する。

弥生株式会社 岡本浩一郎 代表取締役社長

 弥生の岡本浩一郎社長は弥生10シリーズの特徴として、「当社は9月末が期末となっているため10月から新年度を迎えたが、今年度の方針は『愚直な実践』。従来はお客様を見ないで機能追加をしていた面が、若干ながら存在したことを反省し、あまり使われていない新しい機能を追加することはしない。私自身、時間を見つけて店頭に立ち、お客様とお話をさせて頂いて、業務ソフトに興味はあるが一歩踏み出して購入に結びつかないお客様がたくさんいることを実感した。そういう方も、安心して商品が購入できるよう従来から注力してきた、『かんたん、やさしい』に『あんしん』というキーワードを加え、製品及びサポート強化を行なった。また、業務ソフトのトップメーカーとして市場が縮小している状況を変えるために起業家支援、弥生エコシステムの拡大を行なう」という方針を強調した。

 具体的には、全製品がWindows 7に完全対応し、マイクロソフトの「Compatible with Windows 7ロゴ」を取得した。

前年度(2009年度)の弥生の経営方針前年度は原点回帰を進めた結果マーケットシェアが向上業務ソフト市場全体は縮小傾向にあったものの他社と比較しても高い競争力を発揮
特に会計、給与分野で強みを発揮今年度(2010年度)の方針は「愚直な実践」Compatible with Windows 7ロゴを取得

 「あえて、『Windows 7で動作するのではなく、完全対応している』と強調させていただきたい。業務ソフトの場合、データ破損は大きな問題となるが、お客様がデータをバックアップ中に電源を落としてデータを破損してしまうといったトラブルを避けるため、Windows技術ガイドラインに準拠。データバックアップ中にシャットダウンとなってしまった場合には、データ破損を避けるためのメッセージを表示する。この機能は大きくアピールするのは難しいものだが、業務ソフトメーカーとしてはきちんと対応しなければならない部分だと考えている」(岡本社長)。

 インターネットとの融合も拡大し、インターネットを通じて最新モジュールをダウンロードして適応するオンライン・アップデート機能に対応。業務ソフトには必須となる法令改正に対応していくと共に、オンライン・アップデート機能によって最新法令改正を迅速に取り込めるようになった。

セキュアな環境での利用実現に向けWindowsの技術ガイドラインに準拠インターネットとのさらなる融合を実現
インターネットとの融合を目指した新機能オンライン・アップデート業務ソフトには欠かせない法令改正にも準拠

 初心者ユーザーが多い、「やよいの青色申告」、「弥生会計スタンダード」、「弥生給与」については、マニュアルについても見直し、従来の操作マニュアルに加え、ユーザーが業務処理を行なう際に弥生ではどんなことをする必要があるのかを説明する「業務マニュアル」をPDFで提供する。

 ユーザーが安心して利用できるよう支援するために、弥生自身がマニュアルの拡充を図ると共に、外部のインストラクターが全国に1,424人、弥生製品を利用する会計事務所組織「弥生PAP」に3,438会計事務所が参加。さらに、外部出版社が作成する解説書として12月上旬、インプレスジャパンから「できる弥生会計10」が出版される。また、既刊の解説書についても10対応製品が各社から出版される予定となっている。

操作マニュアルに加え、業務を実行した際に弥生をどう操作するのかをサポートする「業務マニュアル」の提供を開始
外部の出版社等も加え、弥生エコシステムも拡充

 市場拡大に向けては、起業したばかりの人が利用することが多い「やよいの青色申告10」を09版に比べ25.9%安い10,500円に、「やよいの給与計算10」を09版の20%安い21,000円に価格改定した。

 ネットワーク版についても、「09で実施したキャンペーンの反応が大変よく、低価格であればネットワーク版を利用したいと考えているお客様が多いことを実感した。今回さらなる価格引き下げを実現した」(岡本社長)という狙いで価格引き下げを実現。「弥生会計10/弥生販売10 プロフェッショナル 2ユーザー」の価格を110,250円とした。「弥生会計10 ネットワーク with SQL」は5ライセンスで従来に比べ53.5%安の42万円に、「弥生販売10 ネットワーク with SQL」5ライセンスは57.9%安の42万円となった。

初めて業務ソフトを購入する人のハードルを下げる価格改定を実施ネットワーク版についても価格改定

 サービスについても内容を大幅に拡充し、初めて業務ソフトを利用するユーザー向けに無料サポート期間を「弥生会計」では従来の最大2カ月から4カ月に延長した。商品購入後法令改正が行なわれた場合、無料サポート期間中であれば対応版が無償で提供される。

 「初めて購入頂いたお客様でも、商品を使えるまで徹底サポートする体制を整えることで、万が一、それでも使えない場合には返品頂いてもかまわない体制とする」(岡本社長)。

 有料サポートについても内容を大幅に拡充する。データ破損対策として、従来のデータバックアップサービス、破損データ復元保険に加え、「ハードディスクデータ復旧保険」を提供。業者が提供しているデータ復元サービスは高額だが、最大20万円まで弥生側がコストを負担して業務データの復旧を行なう。

 PCに不慣れなユーザーに対しては、「画面共有サポート」を提供し、ユーザーはオペレーターの操作している画面を見ながらアドバイスを受けることで、PC操作に関する疑問を解消できる。先行テストを実施した際には満足度95%という結果となったことから、通常のサポートメニューに加わった。

 また、業務ソフトメーカーとしては初めてWindowsやExcel、セキュリティソフトなど弥生と一緒に利用する他社製ソフトウェア、PC自身のトラブルに対しても電話サポートを行なう。岡本社長は、「お客様にアンケートを実施した結果、魅力的だと感じるサービス新たにメニューに追加した。お客様が安心して製品を利用頂ける環境を今後さらに整えていきたい」と話した。

「かんたん、やさしい」に「あんしん」をプラスするためサポート&サービスを大幅拡充無料導入サポート期間を延長
サポート範囲を大幅に拡充し、弥生以外の製品サポートを開始サポートの拡充はユーザーアンケートで反響が大きかったものを提供
業務データを守る「破損データ復元保険」を新たに提供開始PC操作に不慣れなユーザー向けに画面共有サポートも提供開始周辺ソフトウェア、PCトラブルのサポートも実施

 なお、9月末で終了した弥生の2009年度の実績は、「売り上げや収益は明らかにできないものの、大幅な売り上げ増を目指していたにも関わらず、売り上げは微減、収益はコスト改善策により若干上昇した。ただし、業務ソフト市場全体は不況の影響もあり、縮小傾向にあるものの、当社のマーケットシェアは明確に上昇した。ここ2年、ややシェアの低下傾向が続いていたことから、当社の原点である日本の中小企業や個人事業主、起業家を支えるインフラとなるという原点回帰を進めた成果ではないかと考える」(岡本社長)という状況となった。

 現在開発を進めているSaaS版については、「来年末の販売に向けて、現在開発を進めている。詳細は発売時期が近くなった段階で明確にしたい」としている。

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(2009年 10月 20日)

[Reported by 三浦 優子]