エルピーダ、事業再構築計画が経済産業省から認定取得
~300億円の増資、台湾DRAMメーカーと資本協力

エルピーダメモリ

6月30日 発表



 エルピーダメモリ株式会社は30日、経済産業省に提出した「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別処置法」が認定されたと発表した。

 これにより、株式会社日本政策投資銀行に対する第三者割り当て増資を行ない、2009年8月に300億円を増資する。増資後の資本金は現在の約1,586億円から約1,736億となる。

 また、台湾のDRAMメーカーと資本面での提携も視野に入れた関係を構築強化する方向で協議と調整を行なう。これにより約200億円程度の第二次増資を2009年度中に受ける。

 増資により、広島工場の月産ウェハ処理能力を大幅に増強し、顧客から強く望まれている高付加価値製品の安定供給能力を確保する。また、設備投資を行なうことにより、1枚から生産できる半導体チップの数量を増加し、製造原価を約20%削減する。

 今回の事業再構築に伴う出向/転籍/解雇予定の人員はなく、事業再構築終了の2012年3月末時点までに新たに196名を新規に雇用する。

 Microsoftが2007年1月に発売したWindows VistaによるPCの世界的需要拡大や、2008年8月に開催された北京オリンピックに伴う薄型TVや次世代DVD装置などデジタル家電の需要拡大の期待などから、DRAMメーカー各社は積極的な設備投資を行なってきたが、世界経済の低迷によりPCや携帯電話などの需要が大幅に減少し、DRAM価格が急落し、各社ともに大幅な営業赤字が続いている。

 中長期的には、各社の減産効果により価格は持ち直す見通しで、低電圧や低リーク電流などを特徴とする携帯電話やデジタルTV向けのプレミアDRAMについては需要拡大が見込まれる。また、PC向けでは64bit OSの普及により大容量化が見込まれ、エルピーダとしてはプロセス微細化技術を活かした設計が行なえるとしている。

(2009年 6月 30日)

[Reported by 劉 尭]