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ノーサンキュー。Webブラウザ「Brave」はWindowsリコール機能を標準でブロック

 Webブラウザ「Brave」のプライバシーチームが7月22日公開したブログ記事において、BraveはWindows 11のリコール機能を標準でブロックしていることを明らかにした。

 Windows 11のリコールは、ユーザーが見ている画面を数秒ごとにキャプチャし、後から作業内容を振り返れるようにする機能。2024年5月に発表されたが、プライバシー保護が不十分で即座に批判を浴びたため、Microsoftは機能を再設計。現在はCopilot+ PC準拠のPC向けにプレビューの形で提供している。

 Braveのプライバシーチームによれば、リコールをセキュリティとプライバシー保護の観点で再設計したことに関しては評価しているものの、Braveは「プライバシーを最大限に高めるデフォルト設定に重点を置いていて、閲覧履歴全体が(リコールに抜かれることが)問題となるため、すべてのタブにおいてリコールを積極的に無効化することにした」という。

 Braveにおいてリコールを有効にするためには、手動で設定→プライバシーとセキュリティ内の中にあるリコールのブロック機能をオフにする。

 チームによれば、Braveでの閲覧履歴が誤って永続的なデータベースに保存されてしまうと、プライバシーが極めて重要なケースでは悪用される危険性が高く、親密なパートナーによる暴力といった問題に発展しかねないとしている。

 ちなみにBrave側での実装は至ってシンプル。リコールはそもそもWebブラウザのプライベートブラウジングウィンドウをスナップショットとして保存しないため、Braveはこのロジックをすべてのウィンドウに適用し、すべてが「プライベートである」とリコールに伝えることでスクリーンショットの取得を防ぐようにした。

 なお、ビデオ通話アプリの「Signal」では、DRM保護の仕組みを使うことでリコールをブロックしていたが、こうしてしまうと正規のアクセシビリティソフトによるスクリーンショットの取得も不可能になってしまう弊害がある。Braveの実装はリコールだけを無効化できるため、こうした制限は受けないとしている。