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写真や映像撮影の現場を変える「タフパッド 4K」
~HDMI 2.0による4K60p映像入力が重宝するワケ
(2015/6/23 19:48)
パナソニックは23日、4K解像度対応の法人向けタブレットPC「タフパッド 4K」の新製品発表会を開催した。製品の仕様等は既報をご覧いただき、ここでは発表会の内容をレポートする。
パナソニックのタフパッドは、2012年からスタートしたビジネス向けのタブレットシリーズで、過酷な現場環境に耐え得るべく、耐衝撃/耐振動/防塵/防滴性などを備えた頑丈さをコンセプトに製品が作られている。
発表会で登壇したパナソニック株式会社 AVCネットワークス社 常務 ITプロダクツ事業部 事業部長の原田秀昭氏は、タフパッドシリーズが2012年から2016年に掛けて世界での販売台数が累計100万台を達成するとの見通しを示したほか、2014~2015年には全世界での堅牢タブレットPCシェアで2年連続1位(VDC Research調べ)であったことをアピールした。
20型のタフパッド 4Kは、2014年に投入された「UT-MB5」が第1弾で、今回のモデル(FZ-Y1CH)ではディスプレイのスペックはそのまま変わらないものの、世界初となるHDMI 2.0の4K入力対応をウリとしており、4K60pの映像表示が可能となっている。
タフパッド 4Kは、高精細な液晶やA3サイズをほぼ実寸で表示可能であるほか、精度の高い電子ペンの搭載など、これまで製造、建設、放送、医療、金融といったビジネスシーンで活用されてきた。受付窓口での接客や、紙の置き換え、現場で使えるモバイルCAD端末、ペーパーレス会議のための導入など、使用事例はほかにもたくさんあり、汎用性の高さを窺える。
そして、今回HDMI 2.0の4K入力をサポートしたことについて、同社ITプロダクツ事業部 4Kタブレット事業推進部の宮下充弘氏は、使用例の1つとして4K対応カメラのルミックスGH4をタフパッド 4Kに接続し、リアルタイム撮影を披露した。ピント合わせが難しいとされる4Kの撮影でも、大画面かつ高精細な映像を表示できることから、ピント合わせが容易になることを示した。また、撮影後は4Kによる広大なデスクトップスペースを利用でき、マルチウィンドウによる画像比較や構図検討を現場でそのまま行なえるのも、持ち運び可能なタフパッドならではの利点とアピールする。
さらに、宮下氏はプロの現場でのタフパッドの実際の使用感を伝えるべく、CM制作などを手がけている株式会社博報堂プロダクツから、フォトクリエイティブ事業本部 REMBRANDT 部長の西島英二氏を招き、ムービーおよびスチール撮影現場でのタフパッドの使用感について語ってもらうという演出も行なわれた。
西島氏は、写真撮影ではこれまで屋外に4Kディスプレイを持ち出せなかった点を挙げ、タフパッドによって気軽にそれが可能になったことを述べ、デモでも行なわれたようにピント合わせが凄くラクになったという現場スタッフからの声や、タッチ操作による画面の拡大縮小が容易にできる点についてのメリットも語った。
また、映像制作現場においてもタフパッドならクリアな映像を表示できるほか、収録映像のチェックの際も広視野角なので視点によって色ずれが起きにくく、大勢のスタッフが集まった状態でも問題なく確認できると述べる。
そのほか、USB 3.0インターフェイスによる撮影画像の高速転送、ディスプレイキャリブレーションのマッチングが良好な点などを挙げつつ、特に4K60pの入力対応は非常に魅力的であり、Windowsも使えるということで、今後仕事の仕方が変わって来るのではないかとタフパッドに対する満足感と期待感を示した。
宮下氏はそれ以外にも病院や銀行での導入事例を紹介。柏の葉総合歯科の康本征史院長は、本体を動かせるということが重要であるほか、画面の大きさや、最近の医療現場では3Dグラフィックスも活用されており、それがサクサク表示できるなどスペック面も十分であり、タフパッドを総合的に見た上で採用を決めたと言う。
また、受付の窓口現場にタフパッド導入した十八銀行では、接客面において顧客と向き合って会話しながらタブレットを直感的に操作できるというタフパッドの利点を語り、商品の説明などに有用であると語った。顧客満足度が上がったように感じると言う。
発表会初めに登壇した原田氏は、2018年までにタフパッドシリーズを累計200万台に延ばすとの目標を掲げ、同シリーズへの強い自信を伺わせた。
以下、会場にて展示されていた実機の写真を掲載している。