日本ヒューレット･パッカード株式会社(日本HP)は20日、就職活動生が自分自身を見つめ直し、「個性」と「創造力」を再発見する機会の提供を目的としたプロジェクト「SHUKATSU It's ME プロジェクト」を発足させ、都内で発表会を開催した。

　日本HPがプロジェクト推進リーダーを務める「SHUKATSU It's ME プロジェクト」は、大学教授など有識者と企業代表により構成される「SHUKATSU It's ME.応援委員会」によって運営される。このプロジェクトでは、本プロジェクトに賛同する25の企業・団体の経営者、有識者、リーダー達をエグゼクティブ・サポーターと定義。「Express your personality through SHUKATSU = It's ME. 就活を通じて自分自身を表現しよう」をキーメッセージとして、昨今のマニュアル化した就職活動によって「個性」を封じられてきた学生たちに、自由な表現の機会を与えようというもの。

「SHUKATSU It's ME プロジェクト」のプロジェクト体制。日本HPはプロジェクト推進リーダーとなり、有識者と企業代表による「SHUKATSU It's ME.応援委員会」が運営にあたる。また、インテル株式会社がサポーティング・カンパニーとして参加する	6月から首都圏の一部大学にフリーインターネットアクセススペースが設置され、「SHUKATSU It's ME グランプリ」への参加窓口として機能する

　本プロジェクトの核となるのが「SHUKATSU It's ME グランプリ」と称されるプログラムだ。これは、エグゼクティブ・サポーターが就職活動生に対し、専用のWebサイトを通じて「自分らしさ」を磨くための問題を出題。これに就職活動生が解答を行ない、出題者の目に留まった解答者は出題者と「直接会談」する機会を獲得するほか、Webサイト上でほかの解答者と相互評価を行なうことにより、個性を発見、表現する場を提供するというもの。

　さらにエグゼクティブ・サポーターの1社である日本HPでは、副賞として優秀な解答者20名に、自社の採用活動における1次面接に進む権利を進呈するなど、エグゼクティブ・サポーターごとに独自の特典も提供される場合があるとのこと。6月からは首都圏6大学(青山学院大学、中央大学、帝京大学、東海大学、法政大学、早稲田大学)の各キャンパスに、日本HP製PCを用いた専用ブース「SHUKATSU It's ME キャンパス・ステーション」を順次設置し、専用Webサイトにアクセスできる場も提供する。また、早稲田大学、慶應義塾大学、青山学院大学、明治大学においてはステッカーなどを用いたプロモーションも並行して行なわれる予定。

専用のWebサイトを通じ、エグゼクティブ・サポーターから就職活動生に対して問題が出題される。サイトのプレオープン段階では「第0問」として、本プロジェクトの応援歌「START」(歌：JYONGRI)の歌詞の一部を公募	第0問に寄せられた解答例	第1問は日本HP 代表取締役社長 小出伸一氏より出題。専用Webサイトから解答が可能

　本プロジェクトの推進役を務める日本HP 代表取締役 社長執行役員 小出伸一氏は「秋以降の経済不況の中で最もチャレンジャーな存在は、就活の学生である」と指摘。「彼らをサポートしようということで本プロジェクトがスタートした。面談など就職活動のノウハウを教えるのではなく、就活の中で個性を見直し表現できるように支援していく。パターン化、マニュアル化された方法ではなく、就活に夢を持ってチャレンジしてほしい。日本HPはこれらをプロジェクトの推進リーダーとしてサポートしていきたい」とプロジェクトの抱負を述べた。

　続いて登壇した、SHUKATSU It's ME.応援委員会のプロジェクトオーナーである一橋大学 イノベーション研究センター長・教授の米倉誠一郎氏は、「真っ黒なスーツを着て大手町を歩く(就活の)学生を見ると悲しくなる。これでよいのかとずっと思っていた」と私見を述べたのち、「就活が画一化されているのは由々しき問題。大事なのは多様性で、そこから対話を重ねて新しいものを作るのが大事。このプログラムでは(これらの対話を)公の場に持ち出すのが面白い。なぜこの人がこんな事を考えるのだろうというシミュレーションを通じ、単なる就活ではなく新しい知識、コモンナレッジの蓄積を作ろうとする試みだと思って参加した。企業も学生も、さらにマスコミも、日本で始まった新しいムーブメントとして応援してほしい」とコメントした。

日本HP 代表取締役 社長執行役員 小出伸一氏	一橋大学 イノベーション研究センター長・教授 米倉誠一郎氏	SHUKATSU It's ME プロジェクト。左から、日本HP 代表取締役 社長執行役員 小出伸一氏、一橋大学 イノベーション研究センター長・教授 米倉誠一郎氏、日本HP パーソナルシステムズ事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部 本部長 山下淳一氏