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Micron初となるEUVを導入した1γプロセスのDRAM

EUV露光を採用した1γプロセスノード

 Micronは27日に都内で記者発表会を開催し、同社として初めてEUV露光を採用した1γプロセスノードのDRAMのサンプル出荷を発表した。発表会では、同社DRAM Technology Development Senior Vice Presidentの白竹茂氏が解説を行なった。

 同社は現在、米国のアイダホ州のボイシ市、および日本の広島県広島市にDRAM開発拠点を置いているが、今回の1γプロセスは広島が開発を行なった。DRAMの開発にあたっては、6F2 3x2セル技術やHigh-kメタルゲートといった技術を順次取り入れてきたが、ついにEUV露光の導入に至った。

 新技術の導入について、これまでも歩留まりと性能の両立と実現を目的として、慎重に討論を進めてきたが、EUV露光の導入についてはコストが上昇するため極力避けてきたという。今回はEUV露光の採用について「性能や品質を向上させる上で正しい時期に来ている」として採用が決まった。

白竹茂氏
Micronのメモリ/NAND技術の進化
日本での拠点
広島工場

 特に近年はAIによるメモリ需要の高まりがあり、容量ももちろんそうだが、これまで以上に低消費電力化、生産性、品質、安定したボリューム供給が求められている。こうした需要なども総合的に判断してEUVの導入に至った。これにより、DRAMにおけるテクノロジーリーダーシップの地位を確保する狙いがあるという。

高いメモリへの需要

 たとえば、1αプロセスで6,400MT/sだった転送速度は、1βで8,000MT/s、今回の1γで9,200MT/sというように世代ごとに15%ずつ向上した一方で、消費電力はそれぞれ前世代から10%、13%、20%低減できた。ビット密度は世代ごとに30%ずつ向上している。こうした改善は、EUV露光技術のみならず、次世代High-kメタルゲート技術や、高度なバックエンド技術の採用なども寄与しているとした。

プロセスノードの進化

 ちなみに今後のロードマップについては、「1δ(デルタ)」や「1ε(イプシロン)」でプレーナ型DRAM技術を可能な限り延命するような開発を行ないつつ、3D構造のDRAMやより高速/低消費電力を実現に向けた技術も模索していくという。

DRAM技術開発ロードマップ