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Anker、家庭用蓄電池「Solix XJ」
2025年1月29日 15:44
アンカー・ジャパン(Anker)は、家庭用蓄電池事業に参入し、第1弾として「Solix XJ」を投入する。なお、価格については100万円後半からになる見込み(見積もりによって異なる)。
ソーラーパネルで生み出した電力を蓄電し、家庭内の電力システムに給電するための製品。災害対策、電気代削減といったメリットを謳い、地震や台風といった自然災害が多い日本に根付いた製品展開を行なう。
今回展開する製品「Anker Solix X 蓄電池セット」となり、リン酸鉄リチウムイオンの蓄電池、および電力を制御するパワーコンディショナーをセットで用意。電池は5,000Wh、10,000Wh、15,000Whの3種類から選べるようになっている。
なお、5,000Whモデルは日常の余剰電力を有効活用し、冷蔵庫やスマートフォンの充電といった1日分の最低限の電力を確保。10,000Whは冷暖房も含む約2日の利用ができ、15,000Whは4人家族やオール電化にも対応でき、最大3日分の電力を確保。
電池パックごとに8つのセンサーを搭載することで、製品異常を検知。アーク放電を素早く検出でき、0.5秒以内に電力を遮断するといった多重の保護機能を搭載し、JET認証やIEC 63027認証を取得した。パワーコンディショナーは、ソーラーパネルで発電した電力を、最大97.5%の高効率で蓄電/使用できる、業界トップクラスの電力変換効率が特徴。
こうした家庭用蓄電池は訪問販売からの導入が多い中、AnkerはこれまでのEC業界での経験を生かし、アンカー・ジャパンがすべての窓口を請け負い、オンラインでの問い合わせ、見積もり、設置工事日まで調整でき、その後設置までのコミュニケーションを担う。
購入特典としては、Anker Japan公式オンラインストアで販売中の製品購入時に使える10万円分のクーポン、140万件以上のサービスを優待価格で利用できる福利厚生サービスや、家電製品が故障した際の修理費用を保証する特典がセットになった「Ankerあんしんサポート」10年間無料提供、会員向けで年会費1,980円のプレミアムサービスを10年間無料できる特典などが付属する。
Solix XJは日本ならではの製品
29日に開催された発表会では、同社 代表取締役 CEOの猿渡歩氏が挨拶。2024年の能登半島地震や、2025年1月に南海トラフ巨大地震の30年以内の発生確率が80%程度に引き上げられたことを振り返り、「いざという時でも家庭内で安心して電力を利用できるニーズが高まっている」とする。特に首都圏や台風被害の多い九州地方ではニーズが高いとした。また、電気料金が高くなる中、昼間に充電して夜使うといった電気料金の節約のニーズにも応えられるという。
アンカー・ジャパンは、ポータブル電源の製品を多数用意しているほか、日本の地方自治体と防災にかかわる協定を締結しており、過去に能登半島地震、福島県沖地震や熊本地震の際にポータブル電源やモバイルバッテリなどを提供するといった活動実績がある。こうした過去の経験から、災害時の家庭内非常用電源事業の参入に至ったとしている。
実際、Solix XJは日本独自のJET認証をクリアするため、ほぼ日本専用として企画/設計/開発したという。製品自身の安全性はもちろんのこと、災害時の耐火性や破損に対する耐性も十分に確保したという。
一方、直営事業本部 本部長の宮本丈太郎氏によれば、こうした家庭内蓄電池事業は競合もあるが、訪問販売が前提であり、工事の際は別の業者とやり取りをしたり、ハンコといった紙ベースのやり取りが多かったり、自治体によっては補助金を申し込む際の方法が異なったりと、導入までの煩わしさが課題だと指摘。AnkerのSolix XJは申込み、見積もり、設置、サポートまでワンストップで用意しているため、導入のハードルが低いとアピールした。