ニュース

「次のクリックはそこだ!」Cloudflare、先読みで45%高速化する技術「Speed Brain」

 Cloudflareは、無料でWebページの読み込みを最大45%高速化するサービス「Speed Brain」を発表した。現在Cloudflareの無料ドメインでは既にデフォルトで有効になっているほか、Pro/Business/Enterpriseの各プランを契約している顧客はワンクリックで有効にできる。また、エンドユーザー(以下ユーザー)はGoogle ChromeやMicrosoft EdgeなどのChromiumベースのWebブラウザで利用可能。

 これは、ユーザーが次に訪問するWebページを予測し、ユーザーがそこに移動する前にブラウザのキャッシュにページをダウンロードさせることで読み込み時間を完全に排除し、高速化を図るというもの。Chromeの「Speculation Rules API」と、クライアント/サーバー間に位置するCloudflareの巨大グローバルネットワークによって実現される。

 現在のSpeculation Rules APIでは、ユーザーがリンクにカーソルを置いた時やクリックした時に次にアクセスするページを推測し先読みを行なうという、保守的なモデルになっている。2024年第4四半期から2025年にかけて、マシンラーニングと人工知能を駆使し、過去のWebトラフィックとリクエストに基づいて、ユーザーが次に訪問するページをより能動的に予測する。

 たとえば洋服販売のECサイトにおいてSpeed Brainを有効にすると、過去のリクエストからのインサイトを利用し、一般的なユーザーが「メンズ>トップス」の親ページを表示している際に「シャツ」をクリックする可能性が高いことなどを高精度で予測。これに基づき、「シャツ」がクリックされる前に画像などの静的コンテンツ配信を開始し、投機的にページのレンダリングまでを行なう。その結果、ユーザーが「シャツ」をクリックした際には瞬時にページが表示されるようになる。

 同社のテストによれば、予測に成功した場合、画像、ビデオ、テキストブロックなどの表示要素がブラウザに読み込まれ、レンダリングされるまでの時間「最大コンテンツペイント(LCP)」が45%削減され、最大で75%に達したという。

 Cloudflareによれば、これまでもWebページのプリフェッチ技術は多数登場してきたが、プライバシーと互換性の問題や、開発者側の手作業追加による煩雑性、サーバーを中心とした性質による帯域幅の浪費、ブラウザプリフェッチ技術との競合などが課題になっていた。Speed Brainは予測の義務をクライアント側に移すことで、パーソナライズされた最適化を実現するという。