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Core Ultra 7 258V搭載ポータブルゲーミングPC登場。GPU性能アップで期待度高?

MSIのClaw 8 AI+(A2VM)は、ディスプレイが8型に強化され、Core Ultra シリーズ2を搭載している

 欧州最大のデジタル展示会「IFA 2024」が、9月6日からドイツ共和国ベルリン市にあるベルリンメッセにおいて開催されている。近年PC向けのSoCはCESに合わせて発表されることが多かったが、今年(2024年)はIntelが開発コードネーム「Lunar Lake」で知られる「Core Ultra シリーズ2」をIFAに先だって発表したため、多くのPCメーカーが年末商戦に向けたPCを発表、展示している。

 Acer、ASUS、Lenovoに関しては別途お伝えした通りで、いずれもCore Ultra シリーズ2を搭載したノートPCなどを発表しているが、本記事ではIFAの展示会場で展示されたMSI、Samsung、Honorなどそれ以外のメーカー製品を取り上げていきたい。

MSI、8型に大型化されたCore Ultra シリーズ2搭載ClawとモバイルノートPCなどを展示

IFA 2024の会場となるベルリンメッセ。今年はIFAが初開催されてから100周年となる記念の年でもある

 MSIは、IFAにブースを出展し、同社の最新製品を展示している。MSIといえばマザーボードのイメージが強いかもしれないが、ここ10年はノートPCのビジネスに力を入れており、徐々にグローバルでマーケットシェアを伸ばすなど、先行するAcer、ASUSのように台湾ローカルメーカーからグローバルなOEMメーカーとして成長しつつある。

MSIブース

 今回同社ブースでは、Core Ultra シリーズ2を搭載した「Claw 8 AI+(A2VM)」を展示した。これは、今年の1月のCESでCore Ultra(Meteor Lake)を搭載したポータブルゲーミング機として話題を呼んだ「Claw」の後継となるモデルだ。

MSIのClaw 8 AI+(A2VM)
ボタンなどの位置は従来モデルと同じ
背面
Core Ultraシリーズ1を搭載した従来モデル

 基本的な外見は同じに見えるが、ディスプレイが7型から8型に強化されている。解像度は従来モデルと同じFHD(1,920×1,080ドット)/120Hzで、より大きな画面になっているため迫力のあるプレイが可能になっている。また、プロセッサがCore Ultra 7 258Vに強化されており、メモリも32GB増えた。

 IntelはCore Ultra シリーズ2は、従来製品に比べてGPUの性能が向上していると説明しており、いつでもどこでも快適にゲームをしたいユーザーにはClaw 8 AI+(A2VM)は要注目だ。

Prestage 14 AI+ Evo
Prestage 13 AI+ Evo
Prestage 16 AI+ Evo

 モバイルノートの「Prestage 14 AI+ Evo」は、Core Ultra 7 258Vを搭載したノートPCで、14型 2.8K(2,880×1,800ドット)のOLEDディスプレイを採用している。

 「Prestage 13 AI+ Evo」はCore Ultra 9 288Vと13.3型 2.8KのOLEDディスプレイを搭載しているというスペックで、990gという軽量さを実現しているモバイルノートPCとなる。

 また、16型の「Prestage 16 AI+ Evo」は、16型UHD+(3,840×2,400ドット)、Core Ultra 9 288Vというスペックで、1.5kgという16型としては比較的軽量になっていることが特徴だ。

 現時点ではMSIからいつ発売時期や価格などの公式な発表がないためそれらは不明だが、通例でいえばこうした製品は年末商戦に向けて発売されることになるので続報に期待したいところだ。

SamsungはCore Ultra シリーズ2とSnapdragon X PlusなノートPC

 韓国のSamsung Electronics(以下Samsung)は、スマートフォンやタブレットのブランドである「Galaxy」のPCブランドとして「Galaxy Book」のブランドでノートPCビジネスを展開している(ただし、日本では未発売)。

Galaxy Book5 Pro 360

 「Galaxy Book5 Pro 360」は、Core Ultra 7 256V、メモリ16GBを搭載し、ストレージ1TB、ディスプレイは16型 WQXGA+(2,880×1,800)/120HzのAMOLEDパネルが採用されており、10点タッチに対応しているほか、SamsungのS-Pen(EMR方式のデジタイザーペン)に対応していることが大きな特徴となっている。

 本体サイズは355.4×252.2×12.8mmで、重量は約1.69kg。米国では9月24日に発売開始で、税別価格1,699.99ドルからの予価が公開されている。

Galaxy Book4 Edge 15-inch

 また、「Galaxy Book4 Edge 15-inch」は、Qualcomm Snapdragon 8 Plus(どのSKUを搭載しているのかなどは非公表)を搭載したモデル。Copilot+ PCの発表時には14型と16型の2つのディスプレイを搭載したモデルが発表されていたが、今回15型、そしてSnapdragon 8 Plusを搭載した製品が追加された形になる。

中国のHonorは薄型軽量ノートPCを発表

MagicBook Art 14、Core Ultra シリーズ1を搭載

 Honorは、Core Ultra シリーズ1を搭載した「MagicBook Art 14」を発表したほか、そのQualcomm版となる「MagicBook Art 14 Snapdragon」を参考展示した。Honorは現在は独立系の投資会社により所有されているが、かつてはHUAWEI Technologiesの子会社(2020年に売却されている)で、そのためか今回発表されたMagicBookシリーズはいずれもHUAWEI風のデザインテイストを受け継いだものとなっている。

MagicBook Art 14 Snapdragon

 いずれも14型のディスプレイを搭載し、MagicBook Art 14は3,120×2,080ドットの14.6型のOLEDパネルが採用されている。特徴的にはSTR(画面占有率)が97%という狭額縁を実現していることだ。SoCはCore Ultra 7 155HないしはCore Ultra 5 125Hで、メモリは32GBないしは16GB、ストレージは1TBというスペックになる。

 本体サイズは316.77×223.63×11.5mmで重量は約1.03kgとなっている。MagicBook Art 14 Snapdragonも外形などは同じで、SoCがSnapdragonになっていることが大きな違いとなる。