ニュース
経験から社員に!?世界最軽量PCを作る「富士通FMVパソコン組み立て教室」
2024年8月26日 10:19
島根県出雲市の島根富士通は、2024年8月24日、小中学生を対象とした「富士通FMVパソコン組み立て教室」を開催した。
今回で17回目となる夏季恒例のイベントで、今年は20組の親子が参加。14型ワイド液晶搭載ノートPCとして世界最軽量の約689gを実現した「LIFEBOOK WU-X/H1」と、バッテリが64Whの軽量モデル「LIFEBOOK WU2/H1」のいずれかを組み立てることができた。両機種とも、インテルCore i5、16GBメモリ、256GB SSDを搭載。参加費用は12万4,800円。組み立てたPCは、検査後に配送される。
参加者は、小学校5年生が5人、6年生が5人、中学校1年生が3人、2年生が1人、3年生が6人となったほか、島根県内からの参加は8人。東京都や千葉県、愛知県、広島県、大阪府、兵庫県、福岡県からも参加した。
また、「LIFEBOOK WU-X/H1」が12人、「LIFEBOOK WU2/H1」を8人が選択。LIFEBOOK WU-X/H1は天板カラーがブラックだけだが、LIFEBOOK WU2/H1は3色から選択ができ、内訳は、グレーが2人、ブラックが3人、ホワイトが3人となった。
午後1時からスタートした組み立て教室では、冒頭に富士通クライアントコンピューティングの大隈健史社長が挨拶。「島根富士通は、日本でPCを生産している工場では一番大きく、一番進んでいる。その場所でみなさんにPCを作る体験をしてもらう。島根富士通を感じてもらい、ひと夏の思い出にしてほしい」と述べた。
今回の組み立て教室では、富士通クライアントコンピューティング入社5カ月目の浜辺舞鈴さんの協力を得て、組み立て作業を行なってもらった。実際の製造ラインでは258点の部品を13分で組み立てるが、組み立て教室では41点の部品を90分間で組み上げることになる。
組み立ての様子を写真で追ってみる。
組立教室を経て社員になった
組み立て教室終了後、富士通クライアントコンピューティングの大隈健史社長と、島根富士通の神門明社長がインタビューに答えてくれた。
大隈社長は、自らの組み立て作業の様子を振り返り、「作業はばっちりで、スムーズにできた。2年前に参加したときにはネジの締め加減が分からなかったが、今回はそのあたりの加減も間違いない」と笑いながら回答。
「参加者の笑顔を見ることができ、いいイベントを開催できた。自分で作ったPCに電源が入り、画面が表示されたときに、パーッと顔が明るくなる様子を見て、やって良かったと改めて感じた。また、私自身にとっても、普段は、PCの中身に触れる機会が少ないが、自分たちが売っているPCの中身を確認したり、微細化や軽量化へのこだわりが、細部にまで行き渡っていることを再確認したりできる機会になった」とコメントした。
さらに、「私は、小学校のときにはミニ四駆を改造したり、中学校では自作PCを作ったりした経験があるが、いまの子どもたちはモノづくりの機会が減っているように感じる。参加者には、純粋に日本のモノづくりのすばらしさを体験してもらい、『工場ってこんな風になっているんだ』、『PCの中にはたくさん部品が入っているんだ』ということ知ってもらうことに意味がある。プラスして、富士通クライアントコンピューティングや島根富士通の良さを知ってもらえばいい。これは、日本に生産拠点を持っている企業の責任の1つだと考えている」と述べた。
そして、「できることならば、富士通クライアントコンピューティングの全社員に組み立てを体験させたい。コロナ禍で止まっていた新入社員の組み立て実習をすでに再開しており、今年(2024年)11月に実施する予定だ。モノづくり企業の私たちは、机上で資料を見ているだけでは駄目だ。現場でどんなことが行われているかを理解した上で、商品企画や開発、販売といった仕事に従事すべきである」と語り、「来年の組み立て教室も、機会があれば挑戦したい」と、大隈社長自らも再度組み立てに挑む意思を示した。
一方、島根富士通の神門社長は、「小中学生にモノづくりの楽しさを知り、興味を持ってほしいということから、夏休み期間中に親子で参加できる組み立て教室をスタートした。工場見学を通じて、日本の出雲で、PCが作られていること、そこで磨き上げられてきたモノづくりの素晴らしさを体験してもらうことができる」とし、「これまでは、学校でのPC利用の広がりなどにあわせて、プログラミングの学習を併催してきた。だが、今年の組み立て教室では、学校では教えてくれないことをやろうと考えて、約30分間の動画編集教室を組み込んだ。作る楽しさとともに、使う楽しさも体験してもらえる場にしている。動画編集は、画面が大きく、高い性能を持つPCだからこそできる作業の1つでもある」と述べた。
神門社長も、小学校時代には、年齢が1つ違う兄と、飛行機やカヌーを作っていたという。「考えて、手を動かして、モノを作り、失敗をして、また考えるという体験をしてきた。飛行機は空を飛ばないし、カヌーは何度も沈没する。だが、そこにモノづくりの楽しさがある。組み立て教室では、ここ数年、世界最軽量のノートPCの組み立てに挑戦してもらっている。島根富士通の社員にとっても組み立てが難しいPCに、小中学生にも挑んでもらうことが、モノづくりのいい体験になる」と語った。
今回の組み立て教室では、参加者全体のPCが無事に起動した。
実は、島根富士通の中には、子供の時に、組み立て教室に参加したことがあり、その後、社員になったケースがある。今年の入社エントリーの中にも、組み立て教室の参加経験者がいるという。さらに地元の小学校の社会科見学で島根富士通を訪問し、その経験から今回の組み立て教室に参加した子供もいるという。こうした組み立て教室などをきっかけにして、モノづくりに対する関心を高めたり、島根富士通に興味を持つという子供姿も見られているというわけだ。