ニュース

AIをより身近に。あらゆるデバイスにAI搭載を目指すレノボ

レノボ・ジャパン合同会社 代表取締役社長 檜山太郎氏

 レノボ・ジャパン合同会社は16日、レノボグループの2024年度事業戦略説明会を実施した。説明会では、レノボ・ジャパン 代表取締役社長の檜山太郎氏が登壇し、日本市場におけるレノボグループのAI戦略や事例について説明を行なった。

 檜山氏は冒頭、2023年度の日本市場でのレノボグループの業績振り返りとして、PC出荷台数シェア1位を維持したことや、サーバーを中心としたインフラ事業やサービス事業の成長、モトローラ・モビリティ・ジャパンの出荷台数が対前年比の135%になったことなどを取り上げた。

2023年度の業績について

 2024年度の戦略について、同氏は今年度を「AI元年」と位置付けて、あらゆるデバイスにAIが実装される社会を目指すと述べた。具体的には、個人のデバイスからクラウドまでさまざまな規模の組織や個人があらゆるシーンでデータ活用を実現できる、AIによる包括的な戦略「Hybrid AI」を推進し、日本国内でよりスマートなAIをより身近に使用できるようにするという。

個人向けHybrid AI戦略
企業向けHybrid AI戦略

 レノボは今年度、デバイスメーカーからITソリューションプロバイダへの移行を進めており、顧客の課題解決に注力する方針を掲げている。また、同グループはAIへの追加投資として向こう3年間にわたって10億ドル(約1,600億円)を投じ、2017年から行なってきた投資を強化する計画も発表している。

2024年度の注力領域
AIへの投資について

 各事業ごとの注力領域としてPC事業では、Windows 10のサービス終了を契機としたDXの推進や、AI PCであるCopilot+ PCの投入などに力を入れている。レノボはCopilot+ PCとして個人向けのLenovo Yoga Slim7x Gen 9をすでに発売しており、法人向けのLenovo ThinkPad T14s Gen 6を近日中に発表するという。

 同氏は、AIを単に製品として提供するだけでなく、ユーザーがAIを活用して生産性を向上させることを重視し、AI時代に向けたアプリケーションの実装にも今後注力する方針を示している。

PC事業の注力領域
Copilot+ PCのラインナップ
AI時代に向けたアプリケーションエコシステムの展望について

 モトローラ・モビリティ・ジャパンのスマートフォン事業については、AI機能の強化や、マルチデバイス連携機能「Smart Connect」の推進に注力する意向を示した。

 モトローラでは、フラグシップのrazrシリーズだけでなくedgeやmoto gシリーズのラインナップも拡充し、周辺機器やサービスなどのエコシステムの強化も図ることで、Z世代にも選ばれるブランドを目指しているという。

moto aiの主な特長
Smart Connectについて
スマートフォン事業の注力領域

 インフラ事業に関しては、スペインで提供した森林火災の初期対応を支援するソリューションや、AIの電力消費を抑えるために日本での導入を開始している水冷技術Neptuneを備えたサーバーなど、2023年度の取り組みを紹介した。

 レノボでは、病院や無人店舗と連携してサーバーの導入を続けており、日本国内でのITインフラの強化を進めている。インフラ事業では顧客の課題を認識して解決することに重点を置く方針を示し、その一環としてサステナビリティに関するソリューションのLISSAや、Lenovo Care of Oneといったサービスを発表している。

2023年度のインフラ事業の振り返り
同社サーバーの国内での導入事例
インフラ関連での2024年度の注力領域
LISSAとLenovo Care of Oneについて

 サステナビリティへの取り組みについても触れており、2050年までのCO2排出ネットゼロの達成を目指して、オフセットサービスや環境に配慮した技術開発などを行なっている。

サステナビリティについて

 檜山氏は、同社の製品ポートフォリオやHybrid AI戦略を通じて、セキュリティを強化しながら環境にも配慮したAI時代のソリューションを提供し、日本のDXに貢献すると語った。