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132万円の「輪島塗HHKB」登場。能登復興支援で応援金は工房救済に

 株式会社PFUは27日、石川県の輪島塗工房の復興を目的とした支援プロジェクト「Re:japanプロジェクト」をクラウドファンディングサイトのMakuakeにて開始した。期間は9月6日18時30分まで。

 Re:japanプロジェクトは、2006年に漆塗モデルのHHKB「HHKB Professional HG Japan」を商品化した際にコラボした、石川県の輪島塗工房「大徹八井漆器工房」の復興を目的としたプロジェクト。同社は本プロジェクトのリターン品として、同工房による輪島塗を施したキートップを数量限定で用意する。

Re:japanプロジェクト

 大徹八井漆器工房は2024年1月の能登半島地震で壊滅的な被害を受けており、PFUはこの状況を踏まえ、長年のパートナーである同工房を支援するためにRe:japanプロジェクトを立ち上げた。本プロジェクトの応援金は手数料を除いて全額、大徹八井漆器工房に寄付される。

 Re:japanプロジェクトでは、リターン品として「黒漆のHHKBキートップ(60キー)+HHKB Professional HYBRID Type-S 英語配列/墨」や「黒漆のHHKBキートップ(60キー)+HHKB Studio 英語配列/墨」をそれぞれ2セット限定で用意する。価格はどちらも132万円。

黒漆のHHKBキートップ(60キー)+HHKB Professional HYBRID Type-S 英語配列/墨
黒漆のHHKBキートップ(60キー)+HHKB Studio 英語配列/墨

 このほか、「溜塗のEscキーとControlキーのセット」や「溜塗のEscキー」もラインナップする。いずれもHHKB Professionalシリーズ専用のキートップで、価格/数量は順に3万9,600円/50個、1万9,800円/100個。

溜塗のEscキーとControlキーのセット
溜塗のEscキー

132万円は商品価値や工房支援として適正な価格設定

大徹八井漆器工房。社長の八井貴啓氏(左)と会長の八井汎親氏(右)

 Re:japanプロジェクトに関する報道者向け説明会では、同プロジェクトや大徹八井漆器工房についての紹介や、リターン品の価格設定などの説明が行なわれた。

 大徹八井漆器工房は、能登半島地震により工房が全壊、店舗は火災は免れたものの壊滅的な被害を受け、廃業を覚悟するほどの状況に追い込まれた。現在建て直し作業が始まっているが、震災前の状況には戻っていないという。

 同工房と同じ石川県に本社を構えるPFUは、この状況を踏まえて支援するために、HHKB漆塗モデルの「復刻」(reconstruction)や、輪島塗(japan)の「復興」(reprint)、「復活」(revival)という意味を込めたRe:japanプロジェクトを始動した。

 HHKB Professional HG JAPANが当時52万5,000円だったのに対し、今回の漆塗モデルが132万円となっている価格設定については、18年前から貴金属の価格が高騰していることや、工房に適正な利益を還元することが理由だと説明した。

 本プロジェクトのリターン品で提供されるキートップには、金粉を塗した精製漆で何層にも塗り重ねる輪島塗が施される。同社によると、この金粉の価格が18年前から約5倍に高騰しているため、キートップ1つあたりの価格が約2万円となったという。また、HHKB Professional HG JAPANは利益度外視で販売したが、今回は工房に利益を還元するために商品価値にあわせた価格を設定したとも語った。

 PFUはRe:japanプロジェクトのほかにも、能登半島地震の復興支援として1,000万円の義援金や、スキャナーおよびOCRソフトウェアの無償貸与などを行なっている。

大徹八井漆器工房について