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Samsung、次世代プロセスやAIプラットフォームなどAI向けロードマップを発表

 Samsung Electronicsは12日(米国時間)、Samsung Foundry Forumにて、最新のファウンドリイノベーションや今後のAIへのビジョンを解説した。イベントでは、2nmおよび4nmプロセスの新しいプロセスノードや、AI向け統合プラットフォーム「Samsung AI Solutions」などが発表された。

新プロセスノードの導入

2nmプロセスについて

 同社は、2nmプロセス「SF2Z」および4nmプロセス「SF4U」の2つの新しいプロセスノードを発表した。SF2Zはバックサイドパワーデリバリーネットワーク(BSPDN)を採用し、2027年の量産開始を予定する。SF4Uは光学シュリンクを組み込むことでPPAを改善しており、2025年に量産を開始するという。

 BSPDNは、電源レールをウェハの裏側に配置し、電源ラインと信号ライン間のボトルネックを解消する技術。SF2ZにBSPDNを適用すると、第1世代の2nmノード「SF2」と比較して、電力、パフォーマンス、面積(PPA)が向上し、電圧降下(IRドロップ)も大幅に削減され、HPC設計のパフォーマンスが向上するという。

 同社は、1.4nmプロセスの2027年の量産に向けた準備も順調に進めているという。

GAAとFinFETの技術ロードマップについて

AI向け統合プラットフォームの発表

Samsung AI Solutions

 Samsung AI Solutionsは、ユーザーのAI要件に応じてカスタマイズ可能であり、高性能、低消費電力、高帯域幅を特徴とするAIソリューション。導入することで、企業のサプライチェーン管理が効率化され、市場投入までの時間が短縮され、総処理時間が20%も改善される。

 同社は、現在量産中の技術から、高帯域幅密度のための小型化、消費電力とレイテンシの削減、信号の整合性の向上などを果たし、2027年のオールインワンCPO統合AIソリューションの導入を予定している。

GAA技術の進化や多角的な顧客基盤の拡大も

 同社は、GAA(Gate-All-Around)トランジスタ技術の進歩を強調している。GAA技術は、2022年の量産開始から歩留まりと性能の両面で継続的に成熟しており、今後数年間でGAA生産は大幅に拡張する見込みだという。同社は、2024年後半に第2世代の3nmプロセス「SF3」を量産し、次世代2nmプロセスでもGAAを適用する。

 顧客基盤や応用分野の多様化においても大きな進展を遂げているといい、ファウンドリ事業でのAI関連売上は過去1年間で80%増加している。最先端のプロセスノードに加え、専門的な8インチウェハ派生製品も提供し、PPAの改善とコスト競争力を強化している。こうした技術ポートフォリオにより、自動車や医療、ウェアラブル、IoT分野などの需要にも応えられると同社は語った。