ニュース

スカーレット・ヨハンソン、自分そっくりの声をChatGPTに使われ激怒。利用停止に

 女優のスカーレット・ヨハンソン氏は、OpenAIが13日に発表した「GPT-4o」で提供している一部音声モデルの声が自身の声によく似ているとして削除を求めた。

 GPT-4oではユーザーとモデルの間でほぼリアルタイムの音声会話が可能となっている。発表当初はモデルの音声として「Breeze」、「Cove」、「Juniper」、「Ember」、「Sky」の5種類が選択可能だったが、このうちSkyの声がヨハンソン氏の声によく似ているとの指摘を受けて、ヨハンソン氏の弁護士からOpenAIに対してSkyの音声を削除するよう要請があった。現在はGPT-4oの音声としてSkyが選択できない状態になっている。

 ヨハンソン氏がVariety誌に出した声明によれば、ヨハンソン氏は2023年9月にOpenAIから「Chat GPT 4.0のシステム音声を担当してほしい」との依頼を受け取ったが、断ったという。Skyの声については「私の声と不気味なほどよく似ている」と評し、「親しい友人でさえも気づかないほど声の再現を追求するアルトマン氏に不信感を抱いた」と表明。たくさんの人々がディープフェイクからアイデンティティの保護に取り組んでいる今、この問題は明確にすべきとの考えを示し、名前や肖像の不正利用から個人を保護する法律の制定を求める自身の立場を改めて説明した。

 ヨハンソン氏の弁護士はSkyの音声を作成した正確な経緯を説明するよう求めており、OpenAIは19日、これに応えるかたちで音声の制作プロセスを公開している。ここではAIの音声について「著名人の特徴的な声を故意に模倣すべきではない」との方針を明言し、Skyの音声については「別のプロの女優が彼女自身の自然な話し声をもとにしたもので、スカーレット・ヨハンソンの模倣ではない」と説明している。

 ヨハンソン氏は2013年の映画「her」において人工知能を搭載するOSの音声を演じており、OpenAIによるヨハンソン氏への依頼もこれに影響されたものとみられる。