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旧機種でも使える「Surface Pro Flex Keyboard」、めちゃくちゃ便利だったけども……

Surface Pro Flex Keyboard

 Microsoftは、5月20日に同社の本社がある米国ワシントン州レッドモンで記者会見を開催し、新世代のAI PCとなる「Copilot+PC」を発表した。そのSurface製品として発表されたのが新しいSurface ProとSurface Laptopで、いずれもSnapdragon X EliteないしはSnapdragon X PlusをSoCとして採用した製品になる。

 その中で、地味に発表されたのがSurface Pro用の新しいワイヤレスキーボードとなる「Surface Pro Flex Keyboard」だ。

 従来のSurface Proシリーズのキーボードと互換性を保ちながらも、同時にBluetooth LE(Low Energy)のワイヤレス接続機能が追加されたことで、ペンで画面にイラストを描きながら、キーボードショートカットを左手で操作するなどのクリエイター御用達の使い方が可能になる。さらに、Surface Pro本体にドッキングした時にはキーボードを充電しながら従来のSurface Proキーボードと全く同じ使い方が可能になっているのだ。

クリエイターの使い方が実現できるワイヤレスになったSurface Pro Flex Keyboard

クリエイターの人がよくやる使い方

 今回Microsoftが行なった発表会では、Copilot+ PC、Snapdragon X Elite/Plusを搭載したSurface Pro/Surface Laptopが話題の中心だったことは間違いないが、会見の後半で地味に紹介された新しいSurface Pro用のキーボード「Surface Pro Flex Keyboard」を見た筆者は「あれ、これってクリエイターの人がみんな欲しがるやつでない?」という感想を抱いた。

 というのも、会場で示された使い方が、本体を右手のペンで操作しながら、左手のワイヤレスキーボードでキーショートカットを操作するというデモだったからだ。こういう使い方は漫画家やイラストレーターなどがよくやる使い方で、大抵は別売のBluetoothキーボードなどを買ってやることが多いと聞いている。しかし、このSurface Pro Flex Keyboardでは、それがフォリオカバーとしても利用できる純正キーボードでできるというのだから、それはいいと思ったのだ。

展示会場に展示されていたSurface Pro Flex KeyboardとSurface Pro本体。この状態でちゃんと入力できる
Surface Pro側の端子、これまでのSurface Pro 8/9/10と同じ端子、同じ位置であるため互換性がある
キーボード側の端子
このように折り曲げていくと……
スタンドようになってキーボードにちょっと角度がつく
バッテリを内蔵している。バッテリ容量は約1.93Wh

 その後展示会場にいって、実際に触ってみると、その出来は想像以上によかった。Surface Proのユーザーであればよくご存じだと思うが、Surface Proのキーボードは、タブレット部の下部に用意されている端子に、キーボード側の端子を挿入してマグネットで吸着して固定されるようになっている。

 Surface Pro Flex Keyboardでもその構造は同じで、Bluetoothキーボードとして利用する場合に必要なバッテリの充電は本体とドッキングした状態で行なわれる。同時にキーボードに用意されているペン(Surface SlimPen2)の充電器にも給電されるようになっており、ペンの充電も同時に行なわれる。もちろん、本体にドッキングした状態でも、Surface Proキーボードとして利用することが可能だ。

キーボードを取り付けて充電している状態
キーボードを取り外している時にも充電状況が分かる

 よくできるなと感じたのは、本体から外した後だ。端子部分はマグネットで丸めるようになっており、キーボードに少し角度がつけられるようになっている。先ほどのクリエイター的な使い方をする場合でも、机の上において使う場合でも角度がついていることは入力のしやすさに直結するため、これは実にありがたい構造だ。

使い勝手的には完璧、過去製品との互換性もあるけど、分かりやすい弱点が……

右が新しいSurface Pro Flex Keyboard、左が従来のSurface Keyboard

 キーボードの充電状況はSurfaceの設定が行なえる「Surface」アプリで確認することができる。本体から切り離されている時にはバッテリの残り残量が示されるし、本体に取り付けた時には充電中を示すアイコンに変わり、キーボードが充電中であることが分かる。通常Surface Proを持ち運ぶ時にはフォリオキーボードを取り付けてディスプレイを保護した状態で持ち運ぶことになるので、その間にキーボードの充電は済むことになるので、あまり気にする必要はないかもしれない。

 なお、Microsoftによれば、このSurface Pro Flex Keyboardは、今回発表されたSnapdragon X Eliteを搭載したSurface Proだけでなく、過去数世代のSurface Proで利用することができる。スペック上はSurface Pro 8以降で利用できるとされており、Surface Pro 9、Surface Pro 10(3月に発表されたIntel Core Ultra搭載の企業向け)の過去3世代でもそのまま利用できるという。ここ3世代ぐらいのSurface Proを使っていたユーザーにとっては朗報だ。

 ただし、1つだけ弱点をあげるとすれば、それは値段だろう。米国では449.98ドル、日本では80,080円だ(円安……)。

英語版にも日本の技適マークがあった

 そこは気にしないという剛毅なユーザーでかつ、Surface Proシリーズでクリエイター的な使い方をしている人、飛行機の中などで、ディスプレーとキーボードを分離して操作したい人……利用シーンはいろいろ考えられるが、気になる人は発売日(6月18日)以降にチェックしてみるといいだろう。