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天空、「AYANEO Flip」シリーズ実機を披露。通常販売のほか、CAMPFIREでのクラウドファンディングも予定

左から「AYANEO Flip KB」のシャドウブラック、「AYANEO Flip DS」のシャドウブラック、「AYANEO Flip DS」のミルキーホワイト

 株式会社天空は28日、AYANEO製のクラムシェル型ポータブルゲーミングPC「AYANEO Flip」シリーズ2製品の国内での展開について発表会を開催した。

 AYANEO Flipシリーズはクラムシェル型ポータブルゲーミングPCで、メインディスプレイにはいずれも7型1,920×1,080ドット解像度のIPSパネルを採用。本体部分にゲームコントローラに加えて、3.5型960×640ドットのサブディスプレイを備える「AYANEO Flip DS」および、RGB発光する物理キーボードを備える「AYANEO Flip KB」の2製品を用意。いずれも2月よりIndiegogoにてクラウドファンディングを開始していた製品となる。SoCにはAMD Ryzen 7 7840U搭載モデルとRyzen 7 8840U搭載モデルの2種類を用意する。

 出荷開始時期や価格については近日再度発表が行なわれる。また、国内でもCAMPFIREでのクラウドファンディングを実施し、Ryzen 7 8840U搭載モデルについてはそちらから購入できるようにすることなどを明らかにしたが、具体的な開始時期などについては後日改めて告知するとしている。

AYANEO Flip KB。ポータブルゲーミングPCの先駆けとも言える「GPD Pocket」を思わせるフォルムだ
AYANEO Flip DS。3.5型サブディスプレイとゲームコントローラの配置が「Nintendo 3DS」を思い起こさせるフォルムに仕上がっている
AYANEO Flip DSのサブディスプレイはシンプルにマルチディスプレイとして接続されているだけなので、その使い勝手はよさそうだ

 会場ではAYANEO Flipシリーズ2製品の実機を展示し、改めてこれら製品の詳細にも触れられた。AYANEO Flip DS本体中央部に備えるサブディスプレイの機能については、マルチディスプレイの1台として接続されており、通常のサブディスプレイとしても使えるほか、同社独自のランチャーソフト「AYA Space 2.0」のランチャー部分のみを表示する機能が切り替えて利用できる。また、この部分はサードパーティが対応ソフトを開発することもできるとしており、個人開発者などがユニークなソフトを開発する可能性も示唆した。

 AYANEO Flipシリーズはどちらもミルキーホワイトとシャドウブラックの2色展開となる。またメインディスプレイは最大180度まで展開が可能なほか、120度、150度の位置で固定されるプリセットが設定されており、実際に触れると、ディスプレイがほどよいポイントで固定されるため、使い勝手がかなりよい印象を受けた。ディスプレイのリフレッシュレートは120Hz。

 バッテリ容量は45Whで2時間以上のゲームプレイが行なえるという。本体の冷却機構としてはアルミ製ベイパーチャンバーを採用。過去モデルでも採用例はあるが、ベイパーチャンバーの放熱板面積が6,243平方mm、放熱フィン面積が2万7,189平方mmとこれまでよりも大型化しており、これらを組み合わせることで冷却性能を向上し、TDP 28W駆動を実現している。

 ゲームコントローラ部についても、ホール効果のジョイスティックを採用し、ボタン類はカチカチと心地よい音が鳴るメタルドームボタンとなっている。

 インターフェイスとしては、本体天面部にカバー付きのmicroSDカードスロットを搭載。OCuLink端子も備えており、eGPUなどが接続できるほか、フル機能に対応するUSB 4.0端子も備える。

AYANEO Flip DSのサブディスプレイは同社ランチャーソフト「AYA Space 2.0」を表示させる以外にもさまざまな用途で活用できる
2色カラーで展開する
AYANEO Flipシリーズの特徴
ゲームコントローラ部についてもこだわりを見せる
その他のインターフェイスについて。OCuLinkにも対応
冷却機構はアルミ製ベイパーチャンバーを採用し、TDP 28W駆動に対応

 後半はAYANEOのCEOであるAuthur Zhang氏がWebで参加し、記者たちのAYANEO Flipシリーズに関するさまざまな質問に回答した。

 まず、現在Indiegogoにて出荷開始しているAYANEO Flip DSとAYANEO Flip KBの2製品について、どちらがより多く選ばれているかという質問に対して、Zhang氏は「中国国内ではどちらも同じくらい選ばれているのだが、中国以外の国ではDSがKBの4倍近く出ている」としており、よりユニークな構造のDSが世界中から評価されている点に触れた。

 また、AYANEO Flip DSが任天堂の携帯ゲーム機「Nintendo DS」のような構造になっていることから、ペンが付属していない点について問われると「元々このサブディスプレイはランチャー機能を操作する専用ディスプレイにするつもりだった。ゲームなどでこの画面を利用することは想定していなかったため、特にペンは用意しなかった」としている。

 日本人が大好きなストラップホールがない点について聞かれると「AYANEO Flip DSとAYANEO Flip KBはどちらも重量が約650gあり、見た目ほど軽くはないので、ストラップを使うことは考えていなかった」と答えた。なお、2製品とも公称は約650gで2製品の重さに違いがない点については、会場にて実際に重量を計測してみせた。いずれも展示機のため、実際の製品とは重量が異なる場合があるものの、AYANEO Flip KBの重量が実測で651.8g、AYANEO Flip DSが実測653.7gで、その差は僅かに2.1gだった。

 なお、Zhang氏は現在開発中の携帯型ゲーム機「AYANEO Pocket S」について、日本に来て発表会を行ないたいとし、日本の記者たちと実際に会って、AYANEO製品についていろいろと聞いてみたいと述べ、質疑応答を締めくくった。

 会場で触れた感触では、AYANEO Flip KBの7型コンパクトクラムシェルの懐かしさと、AYANEO Flip DSのどこかで見たことがありながら、使い勝手がよさそうなPCとして仕上がっているユニークなビジュアルが印象的だった。キーボード部とディスプレイ部以外の仕様は同じで、今時のコンパクトゲーミングPCらしい高スペックを備えるので、現実的にゲームをプレイしながら遊べるモデルに仕上がっている点は好印象だ。

 発熱量についても、会場では格闘ゲーム「ストリートファイター6」の対戦モードが稼働しているところしかチェックできなかったが、ガッツリゲームを遊んだ後でも殆ど熱さを感じないなど、冷却性能の高さが再認識できた。

 どちらも現状、あまり国内製品などでは見ることのないユニークな仕上がりの製品となっているので、興味がある人は国内版の価格や出荷時期の続報を待っていてほしい。

Web経由で質疑応答に対応したAuthur Zhang CEO
展示機の重量をその場で計測。AYANEO Flip DSの重量は653.7g
AYANEO Flip KBの展示機は651.8g
AYANEO Flip KBのキーボードはUS配列
メインディスプレイは180度展開が可能
本体上部右側には正方形の光学式ポインティングデバイスも備える
両手持ちが容易に行なえる7型クラムシェル型は個人的には大歓迎のサイズ感だ