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NTTコノキュー、Snapdragon AR2を搭載したXRグラスを2024年半ばに投入
2024年2月27日 09:25
NTTコノキュー(NTT QONOQ)とシャープとのジョイントベンチャーであるNTTコノキューデバイス(NTT QONOQ DEVICES」は、MWC 2024に出展しているNTTドコモブースにおいて、同社が開発してきたXRグラスのプロトタイプ「グラス型XRデバイス コンセプトモデル」を展示した。SoCにQualcomm Snapdragon AR2を採用し、スマートフォンと何らかの無線で接続し、カメラを搭載しているという機能をサポートしながら、軽量コンパクトにまとまっているという。
グラス型XRデバイス コンセプトモデルは、今年の半ば頃に実際の製品として投入する計画で、ビジネス向けと一般消費者向けの両方をカバーする製品となる。
NTTコノキューがNTTドコモブースでXRグラスのコンセプトモデルを展示
NTTコノキューは、NTTドコモの子会社として設立され、XR(AR/VR/MR)などのアプリケーションやサービスを開発している。そのNTTコノキューがシャープとのジョイントベンチャーとして始めた子会社(NTTドコモから見ると孫会社)がNTTコノキューデバイス。シャープとの協業で、各種のXRデバイスを開発している。
そのNTTコノキューデバイスがNTTドコモブースで展示したのがグラス型XRデバイス コンセプトモデルと呼ばれるXRグラスだ。形状としては眼鏡になっており、そのレンズが透過型のディスプレイとして動作する。また、前面にカメラが用意されており、歩きながらVlogを作成することが可能になっている。
基本的にはスマートフォンと何らかの無線で接続して利用するが、XRグラス自体にもSoC「Qualcomm Snapdragon AR2」が搭載されており、Qualcommが提供しているXR開発環境「Snapdragon Spaces」を利用してソフトウェア環境の開発が行なわれている。本体は軽量でコンパクトにまとまっているとのことで、本体のSoCをXRグラスとして必要最小限の機能を備えるSnapdragon AR2を採用することで実現していると考えられる。
MWC 2024会場近くで行なわれたQualcommのXR関連イベントに登壇した、NTTコノキュー 代表取締役社長 丸山誠治氏は「非常に軽量でコンパクトなデバイスを目指している。ビジネス向けと一般消費者向けの両方をカバーする製品になる。今年(2024年)の半ばまでに製品として投入したい」と述べ、非常に意欲的なスケジュールで製品を投入することを明らかにした。
QualcommブースではXR Hubを利用した同じ部屋にある複数のXRグラスに
Qualcommは2月26日午前(現地時間)に、XRに関する記者説明会を行ない同社の戦略を説明した。同社は、主にVR HMD向けの単体でスマートデバイスとして動作させられるSnapdragon XR、機能を絞ることでスマートグラスのような小型軽量のデバイスを実現するSnapdragon ARという2つの製品群を持っている。
たとえば、Meta QuestシリーズにはSnapdragon XRを、サングラスブランドのRay-BanとMetaのダブルブランドで販売されているMetaスマートグラスはSnapdragon ARをと使い分けられている。
Qualcommの記者説明会では、前述のNTTコノキューが登壇したほか、スエーデンのコンテンツ配信企業であるAccedoが、QualcommがXRデバイスのためのレファレンスキットとして開発した「XR Hub powered by Snapdragon」(以下XR Hub)を利用したソリューションを紹介した。
XR Hubは、簡単に言えば複数のXRデバイスなどにコンテンツを配信するハブとなるデバイスで、これを活用することで複数のXRデバイスでコンテンツ配信を複数のユーザーが楽しめる。AccedoもSnapdragon Spacesを利用して開発され、自社のコンテンツ配信システムをXR Hubに組み込んで提供していく計画だという。
Qualcommブースでは、そのXR HubとARグラスをデモが行なわれており、複数のARグラスでコンテンツを楽しめる様子が確認できた。