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イーロン・マスク、対話型AI「Grok」。X(Twitter)のリアルタイム情報を活用

 イーロン・マスク氏率いるAI開発企業「xAI」は5日、対話型AI「Grok」を発表した。早期アクセスプログラムへの参加をX(旧Twitter)認証ユーザー向けに受け付けている。

 独自開発の大規模言語モデル「Grok-1」を利用した対話型AI。330億のパラメータを使ってトレーニングしたプロトタイプ「Grok-0」から推論およびコーディング能力を強化したもので、「HumanEval」などいくつかのLLM評価指標でベンチマークを行なった結果、GPT-3.5やLLaMa 2を上回る結果を達成したとしている。

 xAIの発表によれば、Grokの最終的な目標は「理解の追求を支援すること」だという。当面の目標には「あらゆる背景、政治的見解を持つ人々にとって役立つAIツール」としてのアプローチについて調査を進め、いずれ公の場でデモンストレーションを行なうことを挙げている。

 対話型AIとしては「機知に富んだ質問」にも答えるよう設計されており、ほかの対話型AIでは拒否されるような質問にも回答するとしている。また、やや反抗的な性格付けがされているため、ユーモアが苦手な人の利用には不向きだという。

 「Xプラットフォームを介したリアルタイムの知識を持っていること」も特徴の1つ。発表では検索によって「関連情報にすばやくアクセスできる」ことを示唆しているが、詳細については伏せられている。マスク氏はxAI設立発表当時、スペースにおいて「ツイートもAIのトレーニングに使う」ことを名言しているので、Grokでは質問に回答するための情報の1つとしてXユーザーのポストを利用していることが伺える。

 現時点での技術的な課題は「信頼できる推論の達成」だとしており、マルチモーダルへの対応や長い文脈の理解などを今後の研究の方向性として挙げている。