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AIが創作した芸術作品「著作権で保護されない」米連邦地裁判決

著作権が認められなかった「A Recent Entrance to Paradise」 出典:2012 DABUS, File:A Recent Entrance to Paradise.jpg

 米国ワシントン州の連邦地裁は18日(現地時間)、AIが創作した芸術作品は米国内法において著作権で保護されないとする判決を下した。

 ロイターArs Technicaの報道によると、コンピューター科学者のスティーブン・サイラー氏が原告。同氏は自身が開発したプログラム「DABUSシステム」で生成した作品「A Recent Entrance to Paradise」の著作権申請が認められなかったことから、著作権当局を訴えていた。著作権当局は2019年8月、「著作権の主張を裏付けるのに必要な人間の著作権が欠けている」という理由で申請を却下し、著作権法は人間が作成した作品にのみ適用されるとしていた。また、2020年、2022年にも作品の登録を拒否しており、20年の拒絶書では「著作権法は『作者の独自の知的概念』に限定されているため、人間がその作品を創作したものではないと判断した場合、特許庁は請求の登録を拒否する」と述べていた。

 今回の連邦地裁の判決は、一連の著作権局の決定を支持するもので、著作権が認められるのは人間の作者がいる作品だけと判断した。サイラー氏の弁護士は控訴する考えを示している。