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ROG Allyより高スペックなのに小さくて軽い携帯型ゲーミングPC「ONEXFLY」

ONEXFLY

 深センOne-Netbookと株式会社テックワンは29日、共同で新製品発表会を開催し、この中で新世代ポータブルゲーミングPC「ONEXFLY」、および10.1型液晶搭載UMPC「OneMix 5」を発表した。本記事ではONEXFLYについて紹介する。

 本製品は中国を含む世界各国でも展開されるのだが、製品実機の公開は日本が初。これはOne-Netbookが日本に注力していることの現れとも言えるだろう。なお現時点ではあくまでも「プロトタイプ公開」の段階であり、今夏にIndiegogoでクラウドファンディングを開始し、東京ゲームショウ2023にも展示するとしたが、具体的な時期や日本国内版の予約開始時期は未定としている。

製品説明を行なった株式会社テックワン 代表取締役 山田拓郎氏

 ONEXFLYは新たに立ち上がったシリーズ。7型液晶搭載という点では従来の「ONEXPLAYER Mini」シリーズと共通なのだが、アスペクト比は16:10(1,920×1,200ドット)から16:9(1,920×1,080ドット)となり、よりゲームにフォーカスした解像度となった。

 また、ASUSの「ROG Ally」(608g)より軽い筐体を目指して開発しており、現在は580gを目標に設計している。より軽い筐体を実現している一方で、バッテリ容量は48Whとより多く、標準設定では平均して連続して2時間以上のゲームプレイを実現するという。

 本体サイズも抑えられている。液晶のリフレッシュレートは120HzとROG Ally同等になった。ちなみにROG Allyはネイティブランドスケープ液晶だが、ONEXFLYはポートレート。その一因は本体サイズにあるといい、ランドスケープを採用するとROG Allyと同様、上下方向のフレームに厚みが出てしまうため非採用になったとのことだ。

 プロセッサは最新のRyzen 7 7840U。なお、Z1 ExtremeではRyzen AIが省かれているが、本機では使用できるという。メモリはDDR5-7500を採用。SSDはPCI Express 4.0対応で、実測リード7,109MB/s、ライト実測6,316MB/sと、ROG Allyより2倍程度高速だとしている。ファンはシングルだが、大口径ファンを採用することでうるさく感じさせない音質になっているという。

プロセッサは最新のRyzen 7 7840U
メモリはDDR5-7500、SSDはPCI Express 4.0 x4対応でリード7,109MB/s、ライト実測6,316MB/s
大口径シングルファンで“音質”にもこだわっている

 本体は武蔵塗料による高品質塗装を採用し、抗菌加工も施した。コントローラ手前にはカスタマイズ可能なRGBロゴを備えている。また、harmanと共同開発したデュアルスピーカーやオーディオシステム「HARMAN AudioEFX」を採用し、世界最高峰のゲーミングオーディオを実現するとしている。

プログラマブルボタンを新たに装備
武蔵塗料の塗装を採用
カスタマイズ可能なRGBライティングロゴ
HARMAN AudioEFX採用による高音質オーディオ

 今回はハードウェア面のみならずソフトウェア面にも注力しており、「GAME CENTER」が大幅に進化。ゲームランチャー機能を備えたほか、設定したフレームレートをターゲットに、APUの消費電力を動的に変え、安定した性能バッテリ駆動時間を両立させる機能も備えたとしている。

 そのほかインターフェイスはUSB4×2、USB Type-A、microSDカードスロットなどを搭載。さらに、USB4とOCuLinkに両対応したRadeon RX 7600M XT搭載の小型外付けGPUボックス「ONEXGPU」も用意。USB 3.2 Type-C×2ハブとHDMI 2.1×2出力も備える。ショルダーボタンの内側には、プログラミング可能なボタンを新たに搭載した。

GAME CENTERにはゲームランチャー機能を搭載した
各部インターフェイス
ONEXGPUも用意
今夏Indiegogoに登場
今回はブラックのみならずホワイトモデルも用意
手前のクリアパーツを外せば好みのネーム/ロゴプレートを入れられるというが、現時点はプロトタイプ
コントローラ右側
本体底面にUSB4端子
本体上部に電源/音量ボタンや3.5mmミニジャック、USB4、USB Type-Aを装備。ショルダーボタンの内側にはプログラマブルボタンも
本体背面
ONEXFLY

ユーザーの思いを実現する企業へ

Jack Wang CEO

 発表会には、Jack Wang CEOが3年ぶりに来日し、冒頭で挨拶。「新型コロナが流行したこの3年間はさまざまな困難に直面したが、社員が一丸となって乗り越え、UMPCの開発とポータブルゲーミングPCの開発に注力してきた。その中でも特に注力したのがソフトウェアで、新たな開発チームを立ち上げ、“GAME CENTER”の提供を通じてユーザーの体験を改善してきた」と説明。

 そしてONEXFLYに搭載されるGAME CENTERについては1年ほどの開発期間を経てきて、初期のプロトタイプが完成したのだが、「その完成度にとても失望し、諦めようとまで考えた」という。しかしその後6カ月は、休み返上で残業までして集中して開発に取り組んだ結果、デザイン性に優れシンプルな操作のソフトがついに完成したという。

 「今お気に入りの機能は、ターゲットフレームレートを設定すればTDPが動的に変わる機能。これによってユーザーはゲーム体験を損なわずにバッテリ駆動時間を最適化できる。そのほかにもいろいろ実用的な機能があり、ユーザーから一定の好評を得ているものもあるが、これからさらに向上/改善させていく」とした。

 最後に「我々は常にユーザーの思いを実現したいと思っている。たとえそれが難しかったとしても、それこそやり甲斐があるもので、価値のある製品開発を達成できる。そのためには妥協せず、今後もx86の小型PCの開発に専念していきたい」と語った。

ONEXPLAYERの開発コンセプト
One-NetbookはIntelやAMD、Microsoftだけでなく、BOEやアルプス電気といった著名サプライメーカーともパートナーシップを結び、高品質なPCを製造している
中国国内におけるONEXPLAYER 2 Proエヴァンゲリオンコラボモデルの発表会には、AMD Greater China OEM Sales Directorも参加