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NVIDIA、1,000Hz相当超えのブラー軽減を実現する「G-SYNC ULMB 2」。2機種はファームアップで対応

ROG Swift 360Hz PG27AQN

 NVIDIAは5月28日、1,000Hz超えに相当するモーションブラー軽減効果を実現する「G-SYNC Ultra Low Motion Blur 2」(ULMB 2)を発表した。既に市場で販売されているASUSの「ROG Swift 360Hz PG27AQN」、Acerの「Predator XB273U F」はファームウェアアップデートで対応するほか、近日投入の2モデルも対応予定。

 液晶は電圧をかけることで角度が変化し、透過する光の量を調整して色を表現する。しかしバックライトが常にオンの状態だとこの移行を視覚的に確認でき、遷移の前後で画像が「保持」されることで、人間の視覚によって2つの画像が一緒に見えてブラーとなる。

 そこでNVIDIAが2015年に発表したULMB技術では、バックライトストロボと呼ばれる技術を採用することでモーションブラーを低減していた。具体的には、液晶の変化が完全に終わったタイミングで一瞬だけ光らせることで、モーションブラーを軽減するというものだ。

バックライト常時点灯(左)とバックライトストロボ(右)利用時の比較
バックライトストロボの仕組み

 ただしこのバックライトストロボ技術を使うと、ピクセルを待つ間バックライトがオフになるため明るさが低下する。加えて、以前はピクセルが移行するまで長く待つ必要があったため、ULMBをオンにするとリフレッシュレートを下げざる得なかった。このため、明るさとリフレッシュレートの両方が必要な競技ゲーマーは、結局ULMBを使わないということがよくあったという。

 ULMB 2では、AUOとの協業により応答速度などを改善し、フルリフレッシュレートを実現しながら、バックライトストロボを使用しても大幅に明るい画像(250cd/平方m以上)を提供できるという。この改善により、ゲーマーは1,000Hz超えに相当するモーションの明瞭度が得られる。たとえば360Hzモニターの場合は1,440Hz相当だとしている。

480Hzよりもクリアだという120HzのULMB 2

 また、バックライトストロボでは、ピクセルがローリングスキャンアウトで変更される際に全ピクセルを同時に点灯させるのだが、この場合画面の一部に“クロストーク”と呼ばれる二重画像が表示される問題が発生する。しかしG-SYNCを使えば、垂直走査の場所に応じて応答時間を制御でき、パネル全体のピクセルが適切のレベルで適切なタイミングでバックライトを点灯させる「垂直依存オーバードライブ」によって解消できるとしている。

垂直依存オーバードライブ

 冒頭で述べた通り、ROG Swift 360Hz PG27AQNAcer Predator XB273U Fの2モデルは、既に提供されるファームウェアのアップデートで対応可能。ただしULMB 2を利用するためには、NVIDIA G-SYNC(およびG-SYNC Compatible)の可変リフレッシュレートをオフにしてから、モニターのOSDで有効にする必要がある。

NVIDIAコントロールパネルでG-SYNCをオフに
OSDでULMB 2を有効に(ROG Swift 360Hz PG27AQNの例)