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中国、消費電力35Wで256TOPSの高性能AIチップ

 中国・南京後摩智能科技有限公司(HOUMO.AI)は12日(現地時間)、消費電力35Wで最大256TOPSのAI演算が可能と謳うチップ「後摩鴻途H30」(HaloDrive 30)を発表した。

 自律運転車や汎用ロボット向けに開発されたAI演算に特化したチップで、INT8における演算性能は256TOPS。消費電力は35Wに抑えられており、1Wあたり7.3TOPSの電力性能比を達成したという。

 演算部のアーキテクチャは「天枢(てんすう)」と呼ばれており、“中国の伝統的な住宅構造”を設計理念とし、演算リソースの効率的な利用を実現しながら、多コア/多スレッドでスケーラブルに演算能力を伸ばせるという。

 また、SRAMと演算部を一体化させたことで、超低レイテンシと超高計算密度を実現したとしており、INT8演算においてAI演算アーキテクチャ部に限定すれば、15TOPS/Wという伝統的なアーキテクチャの7倍以上の電力効率を実現したとしている。

 開発者向けに「後摩大道」と呼ばれるSDKを提供しており、PyTorch、TensorFlow、ONNXといったオープンソースフレームワークに対応する。また、搭載製品として自律運転車向けの車載コンピュータ「力馭」、およびPCI Express型の「力謀」の2製品を投入。

 このうち力謀は、ハーフハイト/ハーフレングスのPCI Expressカード型となっており、8GBのGDDR6を搭載。メモリバンド幅は128GB/s。PCI Expressは4.0に対応し、x8/x4/x2にも対応できる。最大消費電力は最大60W。

 既に「後摩鴻途H30」の第2世代でメッシュ構造の「天璇(てんせん)」を開発中、第3世代の「天璣(てんき)」も計画中であることから、アーキテクチャ名は北斗七星にちなんでいるものと思われる。

力馭
力謀