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MicrosoftのナデラCEOが来日。クラウドやAIで企業のDX化を推進を宣言

 日本マイクロソフト株式会社は16日、「Empowering Japan's Future」と題した顧客向けのイベントを開催。米国本社より来日したサティア・ナデラCEOが基調講演を行なった。

 このイベントは、日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に対する意識を高め、マイクロソフトのクラウド/AIサービスであるAzureや、データの利活用を促すPower BI、そして自動化ツール(RPA)などのデジタル技術の活用により、企業の生産性や業務効率の向上を図っていこうといった啓蒙を進めるものである。

 ナデラ氏は基調講演の冒頭で、同社が今掲げている「地球上のすべての個人と組織がより多くのことを達成できるようにする」というミッションを達成させるためには、顧客がデジタルトランスフォーメーションをしていき、データやAI、そしてクラウドを活用する必要があり、「顧客がより少ない労力でより多くのことを達成する(Doing more with less)お手伝いをする、それがMicrosoftのビジネスの原動力になっている」とメッセージを打ち出した。

Microsoft創業時にあった雑誌。左は最初期とも言える個人向けコンピュータAltair 8800で、右は地球の環境問題について述べたNewsweek誌。今やまさにコンピュータが地球環境を救う時代になったのだ
Doing more with lessのメッセージ

 そもそもなぜデジタルトランスフォーメーションにおいてクラウドが重要であるのか? 氏は、エネルギー消費の観点からオンプレミスと比較して遥かに高い効率を達成できるだけでなく、アプリケーション自体もクラウド化が進んで点などを挙げ、Azureプラットフォームの利用を促した。

 一方で、生み出される膨大なビッグデータから、AIを駆使して処理し、意義あるものを創り出す必要性についても述べ、例えば人手不足の問題が深刻化している農業において、AIやロボティクスを駆使して解決していくスタートアップの企業の事例を取り上げ、社会問題の解決につながっていることを紹介した。

 業務自動化ツールの利活用についても、「エンドユーザーが自然言語でツールが使えるようになることが重要」だとし、実際に花王がわずか10人の従業員で、200を超える自動化アプリを構築し、生産性を引き上げていることを紹介した。

 このほか、業務のコラボレーションを実現するTeamsや、インサイトやゴール、ラーニングなどを集約するViva、複数のデータソースを可視化して把握しやすくするPower BIなどのツールの導入事例も紹介し、Microsoftはこれらの製品群やサービスによって日本企業のデジタルトランスフォーメーションを推し進めていきたいとした。

デジタルトランスフォーメーションにおいて必要な取り組み。クラウド化やAIの活用、チームのコラボレーションの強化や生産性、そしてセキュリティの向上などさまざまな課題がある
Powerシリーズの製品群
Teamsは将来、アバターと仮想空間を駆使したオンライン会議も可能になるという