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Meta、フルカラーMR対応の「Quest Pro」。Snapdragon XR2+搭載で性能1.5倍、光学系改善で40%の薄型化

Quest Pro

 米Metaは11日(現地時間)、VRヘッドセット「Quest Pro」を発表した。10月25日(米国時間)発売で、日本における価格は22万6,800円。Metaのオンラインサイトで予約販売を開始している。現行のQuest 2は併売。

 内外各5つ、合計10個のセンサーによってMRコミュニケーションを可能にしたVRヘッドセット。5月に「Project Cambria」として2022年下半期の投入を予告していた製品で、Quest 2よりも上位にあたる「ハイエンドなデバイスライン」の最初の製品として位置付けられている。

 SoCとしてSnapdragon XR2+ Gen1を搭載した初めてのデバイスとしており、Quest 2と比べて動作性能が50%向上したという。Snapdragon XR2+では10ms未満のレイテンシを実現する画像処理パイプラインを搭載することで、フルカラーのビデオパススルーによるMRを実現したとしている。

 ディスプレイ解像度は片目あたり1,832×1,920ドット、リフレッシュレート90HzとQuest 2から変化はないが、光学系に薄型パンケーキレンズを用いることで光学モジュールの奥行きを40%短縮したほか、LEDバックライトを500以上のエリアに分割し、個別に制御するローカルディミングと量子ドット技術によって、コントラストが75%向上している。

 Metaのサイトにおいては技術仕様としてQuest 2と比較した性能の向上割合を主に記載しており、具体的な数値は伏せられているため詳細は不明だが、そのほかQuest 2から改善が図られたポイントとしては、カメラ(センサー)解像度が4倍、ppiは37%、色域は30%拡大、全視野の視覚的な鮮明さは中央部分で125%、周辺部で150%向上したという。また放熱性能の改善も施されている。

 5つの外部カメラとして動作するセンサーはヘッドセット周囲のフルカラー映像をパススルーする役割を担う。内部用に搭載された5つのセンサーはアイトラッキングや「自然な表情機能」を介してアバターに反映され、両者によってMRでのコミュニケーションを行なう仕組み。ゲームタイトルなど従来のコンテンツの後方互換性も確保している。

 そのほかの主な仕様は、メモリ12GB、ストレージ256GB。両眼のレンズ距離は55~75mmで無段階に調整可能。充電器とUSB Type-Cアダプタ、充電ケーブル、部分遮光ブロッカー2個、保護カバー、クリーニングクロスなどが付属する。

 コントローラは「Quest Touch Pro」として機能を刷新。左右それぞれのコントローラにSnapdragon 662を内蔵することで、コントローラ位置のトラッキングにヘッドセットを必要としなくなった。また「TruTouchハプティクス」と呼ばれる機能も新搭載しており、従来よりも正確なフィードバックを提供するとしている。コントローラ単体の価格はペアで3万7,180円。

 そのほかアクセサリとして、充電ドック(1万780円)、フル遮光ブロッカー(6,820円)、VRイヤホン(6,820円)、Incase携帯用ケース(1万6,580円)といったアクセサリも10月25日(米国時間)より順次発売するとしている。

Quest Touch Pro

 ソフトウェア面では、より表情豊かなアバターやスペーシャルオーディオを活用したブレイクアウトグループ、ホワイトボード用の付箋、より鮮明な文字を書くための、新しいコントローラのスタイラスペン先といった機能を追加。さらに、フルカラーパススルー機能を利用しながら、大きいバーチャル画面にアクセスできるパーソナルオフィスも利用可能になる。

 製品投入に合わせ、Microsoftとの連携も発表。Quest用のTemas、Windows 365、Microsoft 365アプリを投入するという。加えて、TeamsとHorizon Workroomsの連携、Temas上でのMetaアバターの利用、IntuneとAzure Active DirectoryにおけるQuestのサポートも実現し、ビジネスや仕事においてもQuestを活用可能になる。

 さらに、デバイスやアプリの管理を行なう「Meta Quest for Business」を2023年にローンチし、Quest 2やQuest Proのサブスクリプションバンドルとして提供。Magic RoomやZoomとの連携により、3Dモデルをレビューできるようにする機能の開発にも取り組んでいるという。