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公衆場所でのWeb会議もOK?喋っている声を周囲に聞かれなくする「Voice Mask」

Voice Mask

 イノベーション・ラボラトリ株式会社(i.lab)は、社内のR&Dプロジェクトとして開発を進めている「Voice Mask」が、5月6日に発表されたイタリアの「A’Design Award & COMPETITION」のソーシャルデザイン部門においてブロンズアワードを受賞したことを発表した。

 Voice Maskは、いわばノイズキャンセリングイヤフォンの“逆”で、内蔵マイクで拾った使用者の声と逆位相の音波を、口を囲むように並んだスピーカーから出すことで音声を打ち消すことで、装着者の口を密閉することなく、周囲への発言内容を聞かれることを防ぐもの。これにより、カフェやオープンスペース、大部屋のオフィスなどでも、周囲への迷惑を気にすることなく電話やWeb会議を行なえるという。

 i.labは2015年の社内R&Dにおいて、10年後のワークスタイルを洞察するリサーチを行ない、人々が場所にとらわれずにインターネットを介して働く未来社会を想像。その中でWeb会議の際の音声が課題になると考え、その解決のために、Voice Maskの原型となるアイデアを創出して、2018年に2つの特許を取得していた。

 当初は2025年頃の未来を予想していたものの、新型コロナウイルスの流行により、Web会議やオンライン授業が当たり前となり、この課題が早くも現実的なものとなった。そのための、R&Dから製品開発が始まったという。

 ただ、今回受賞したのはコンセプトデザイン(ビジュアル)であり、製品そのものが出たわけではない。i.labでは引き続き現実の可能性を追求し、プロジェクトを継続していくとし、実現に向けて協力してもらえる技術者や研究者、企業を募っている。