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Google Chromeがバージョン100。新機能追加も、互換性には注意

 米Googleは29日(現地時間)、Webブラウザ「Chrome 100」をStableチャネル向けに配信した。Windows、Mac、Linuxのプラットフォームで有効になる。Windowsおよびmacでは新しいextended stableチャネル向けにも配信されており、今後数日~数週間かけて順次展開していく。

 バージョン番号は冒頭が初の3桁番台となる「100.0.4896.660」となっており、多数の修正や強化が含まれる。変更点についてはログにあり、近日中にChrome/Chrominumのブログでも紹介するとしているが、Google Chromeの開発者向けYouTubeチャネルでは、中心的な内容について紹介している。

 まず、99から100にバージョンアップするにあたって、バージョンの桁数が2桁から3桁に繰り上がるため、ブラウザのバージョンを判別するようなサイトで不具合が発生する可能性があるとしている。そのため、同じくバージョン100を迎えるFirefoxとともに、数カ月前よりバージョン100を返すテストを実施してきたが、リリース後も開発者の協力を仰ぐ。

 また、バージョン100はデフォルトでユーザーエージェントを省略しない最後のバージョンになるとしており、今後はユーザーエージェントの文字列の代わりにUser-Agent Client Hints APIの使用を推奨している。

 新機能としては、Multi-Screen window placement APIのサポートが挙げられており、例えばプレゼンテーションを画面1にフルスクリーンに映し出しつつ、画面2でプレゼンテーションの内容を映し出すなど、ディスプレイや解像度、ウインドウの位置を指定した制御が可能になる。

 さらに、ユーザーが許諾したHIDデバイスの利用を取り消すことが可能な「device.forget()」メソッド、Web NFCで読み出しだけを行なう「ndef.makeReadOnly()」メソッドなどが実装される。

Chrome 100の開発者向け紹介動画

 リリースで判明しているのは28種類のセキュリティ修正となっており、ポータル、QRコードジェネレータ、Cast UI、WebRTCなどにおけるUse after freeの脆弱性、Web Share APIおよびフルスクリーンモード、仮想キーボードの不適切な実装など、緊急度がHighのものがいくつか含まれている。