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Seagate、監視カメラ向け20TB HDDを投入。2026年までに1台50TBの実現を目指す
2022年3月24日 18:16
日本シーゲイト株式会社は、AI対応のNVR(Network Video Recorder)やDVR(Digital Video Recorder)用途を想定したエンタープライズ向け20TB HDD「SkyHawk AI 20TB」を発表した。国内では4月中旬より提供を開始する。価格は8万8,400円(税別)。
SkyHawk AI 20TBは、監視カメラやVMS(Video Management System)での利用に向けたHDD。信頼性を求められるデーターセンターなど向けのExos X20、NAS向けのIronWolf Pro 20TBに続く容量20TBのHDD製品となる。国内では、データ量の増加要因としてIoTデバイスが挙がっており、その需要に応えられるものとなる。
大容量の実現に加え、最大32のAIストリームと、最大64台のHDカメラ録画に対応し、分析と録画を同時に行なえる。また、ImagePerfect AIファームウェアを搭載し、コマ落ちなどを防止している。3年間のRescue Data Recovery Servicesや、5年間の品質保証が付帯される。
これまでは防犯/セキュリティ目的での監視に主に用いられてきたが、今後は5GやIoTの広まりにより、患者の遠隔監視といったヘルスケア分野や、スマートシティ、スマートメーターなどでの活用も見込む。
独自技術を活用し2026年までには50TB HDDの実現を目指す
あわせて24日、同社はエンタープライズ向けストレージ製品に関する説明会を実施。同社代表取締役社長の新妻太氏と、営業本部 本部長の安河内智氏から、最新ポートフォリオや大容量ストレージ製品のロードマップなどの説明が行なわれた。
ストレージ向け技術としては、独立した2つのアクチュエータ構造により性能を倍増するMACH.2や、記録密度を高めるHAMR(熱補助型磁気記録)といった技術を開発。既存の記録方式とその最適化により、現在容量20TB以上のHDDを投入しているが、これらの技術を投入することで、さらに2026年までには1台で容量50TBの実現を目指す。
エンタープライズ向けのストレージシステムについては、2021年より国内でも販売を開始。HDDから内蔵ASIC、エンクロージャなどすべてを内製とすることで最新の技術を迅速に提供できるという。次世代コントローラの採用や、自己修復機能により保守コストを抑えるデータストレージシステムCORVAULTなどに加え、新たなエッジツークラウドの大容量ストレージプラットフォームのLYVEなどの展開を進めている。
Seagateでは、1日あたり平均で1.75EBに相当する量のストレージを出荷しており、年間では400EB以上にのぼる。IDCによる調査では、2025年までに生成されるデータ総量は180ZBにもおよぶとされており、大容量ストレージの需要は高まっており、データ管理の複雑さが増す一方で、大きなビジネス成長の機会でもあるとみているという。
国内事業については、システム事業が大きく成長。2022年第2四半期と第3四半期の比較では、売上が300%増加した。クラウドおよびデータセンター、HPC、メディアエンターテインメント、アーカイブ/バックアップ用途のエンタープライズを重点エリアとして注力しているという。
一方で近年、生成データの急増だけでなく、データの分散化や、保管、管理、活用の複雑化が課題となっており、国内においては生成されたビジネスデータのうち76%が活用されていないとの調査結果もあるという。こういった状況に対し、大容量化によるTCO(総保有コスト)の削減などを通じて貢献していきたいとした。