ニュース

GIGABYTE、GPUをRAIDカードとして使ったNVMeストレージサーバー

R282-Z9G

 台湾GIGABYTEは、GRAID製の「SupremeRAID」カードを搭載し、NVMe SSDを採用したストレージサーバー「R282-Z9G」を発表した。

 ストレージの高速化および高信頼化の手法として、複数のストレージから構築するRAIDがあるが、近代的なNVMe SSDを使用する場合、ソフトウェアRAIDではCPUリソースを大量に消費してしまう問題、ハードウェアRAIDではプロセッサやバス幅の制限により性能が十分に引き出せない問題があった。

 GRAIDのSupremeRAIDは、書き込み処理にNVIDIA製GPUを使用し、パリティ演算などをオフロードすることでこの問題を解消。読み出しはCPUに直で行なう仕組み。これにより、100GiB/sの転送速度と、600万IOPSという高いスループットを実現した。また、SCI(Software Composable Infrastructore)と互換性があり、NVMeoFを介した外付けSSDも利用でき、高いスケーラビリティを実現するという。

GRAIDのSupremeRAIDの仕組み
GRAIDの特徴

 リリースでは本機に使われているGPUについて明言していないが、海外メディアのStorage Reviewsのレビューによると、NVIDIAの「T1000」が使われているという。こうした仕組みを実現できた背景に、Microsoftの「DirectStorage」、NVIDIAの「RTX IO」が少なからず影響していると思われる(もっとも前者はWindows向け、後者はAmpere世代のRTXに実装されているとしか明言していないが)。

 GIGABYTEのR282-Z9GではこのGRAIDカードを搭載し、最大20基のPCI Express 4.0対応NVMeストレージをサポート。4K/8Kビデオの編集やHPC、高頻度なトレーディングやリアルタイム入札、大規模なSQL/NoSQLデータベースなどに好適としている。

 最高で64コアの第3世代EPYCを搭載可能で、合計32本のDIMMスロットを備える。また、フルハイト/ハーフレングス規格のPCI Express 4.0 x16スロットが搭載されているほか、背面に2.5インチSATA SSDを2基搭載できる。インターフェイスはUSB 3.0、ミニD-Sub15ピン、Gigabit Ethernet×3(うち1基は管理用)、1,600Wの冗長電源を備える。