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若手も躍動したSFL 2021前哨戦。本節に向けた32人による個人戦が展開

計8チームで争われるストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021 ©CAPCOM CO., LTD. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.

 9月25日と26日の2日間に渡り、「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021 プレシーズン大会」が開催された。10月より開幕する「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021(以下SFL 2021)」に先駆けたイベントとなる。

リーグ本節に向けた前哨戦。個人戦だが勝てばチームも有利に

 SFL 2021は、1チーム4名、計8チームによるリーグ戦形式で実施。2020年までとは異なり、企業がオーナーとなってチームを編成する「チームオーナー制」や、使用禁止キャラクターを指定する「キャラクターBANルール」に代わって、アウェイチームが選手や使用キャラクターを事前に対戦相手へ申告する「ホーム&アウェイ事前オーダールール」を採用する点などが大きな変更点となる。

 参戦チームは、「魚群」、「Good 8 Squad」、「コミュファDetonatioN」、「Saishunkan Sol 熊本」、「忍ism Gaming」、「名古屋OJA BODY STAR」、「v6プラス FAV Rohto Z!」、「Mildom Beast」の8チームだ。

プレシーズン大会のルール ©CAPCOM CO., LTD. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.

 今回のプレシーズン大会は、リーグ本節参戦選手32名による1on1トーナメント形式での実施となる。個人戦ではあるものの、優勝者の所属チームには2ポイント、準優勝者の場合は1ポイントのリーグポイントが与えられる。

 リーグ本節では、1節につき、各チームが先鋒、次鋒、大将の3人を選出して対戦。先鋒戦と次鋒戦はそれぞれ1ポイント、大将戦は2ポイントを勝利チームが獲得できる。そのため、今回のプレシーズン大会で得られるポイントは決して小さくない。実際に試合前のインタビュー映像でも、多くの選手がこのポイントの重要性を語っていた。

 トーナメントは、事前抽選の結果によってA、B、C、Dの4ブロックに分かれて進行。なお、各ブロックには、それぞれのチームから必ず1名が振り分けられる。チームメンバーによる同士討ちはDay2まで発生しないため、勝ち抜いたメンバーが多いほど有利で、優勝と準優勝を1つのチームが独占すれば、3ポイントを総取りすることも可能だ。

 事前抽選の結果、組み合わせは以下のようになった(敬称略)。

  • Aブロック
    ぷげら vs りゅうせい、ももち vs Shuto、マゴ vs 板橋ザンギエフ、あきら vs ウメハラ
  • Bブロック
    まちゃぼー vs ひぐち、ふ~ど vs ときど、MOV vs NISHIKIN、竹内ジョン vs キチパ
  • Cブロック
    YHC-餅 vs 水派、ガチくん vs オニキ、ボンちゃん vs 大谷、ヤナイ vs ナウマン
  • Dブロック
    カワノ vs sako、もけ vs どぐら、ネモ vs 藤村、立川 vs もると
プレシーズン大会の組み合わせ ©CAPCOM CO., LTD. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.

 Day1はシングルエリミネーション方式のBest Of 3(BO3)にて各ブロックの上位2名を決定。Day2は勝ち上がった4ブロック上位計8名によるダブルエリミネーション方式のBest Of 5(BO5)形式にて優勝を争う。

 なお、これ以降は対戦結果に関する記述が含まれるため、ご留意いただきたい。

負けたら終わり。生き残りをかけたDay1

 32名から8名までに人数が絞られるDay1は、シングルエリミネーション/BO3(2本先取)方式で進行。試合に負けた時点で敗退も決まってしまうため、緊張感のある展開となった。

 Aブロックでは、あきら(キャミィ) vs ウメハラ(ガイル)が対戦。SFL初参戦のあきらが勢いのある攻めでフルラウンドフルセットまで持ち込むと、最終ラウンドでは大幅な体力不利を背負いながらも、テンポのよい攻めで一気に形勢を逆転。ベテランを下した。あきらはここで勝ち上がったものの、惜しくも2回戦でマゴに敗北を喫した。

 また、Bブロックでは、竹内ジョンがコーディーとラシードで1回戦、2回戦ともに強さを発揮。圧倒的とも言える内容で、上位進出を決めた。

大幅な体力不利をものともせずベテラン相手に勝利を決めた ©CAPCOM CO., LTD. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.

 Day1の結果、Day2へと駒を進めたのは、ぷげら(Good 8 Squad)、マゴ(魚群)、ときど(v6プラス FAV Rohto Z!)、竹内ジョン(コミュファDetonatioN)、ガチくん(Good 8 Squad)、ナウマン(コミュファDetonatioN)、もけ(魚群)、立川(コミュファDetonatioN)の8名となった。

 所属チームでみると、コミュファDetonatioNが3名、Good 8 Squad、魚群が2名、v6プラス FAV Rohto Z!が1名となった。コミュファDetonatioNに関しては4名中3名が生き残っており、リーグポイント獲得を見据えてもかなり有利な状況でDay2へ挑めるかたちとなった。

Day1の結果 ©CAPCOM CO., LTD. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.

激闘を乗り越え生き残った8名。目指すは優勝の栄冠とリーグポイント

 Day2は、Day1勝ち上がった8名による上位トーナメントを実施。ただし、Day1と異なり、以降はダブルエリミネーション/BO5(3本先取)方式となる。1試合が長くなることで、試合中での互いの読み合いなど、戦いはより厳しくなっていく。

 Day2でも強さを発揮したのは、竹内ジョンのコーディー。ベテランと若手のマッチアップとなった1回戦、ときど(ユリアン) vs 竹内ジョン(コーディー)戦では、ときどが2セット先取するも、3セット目で流れを断ち切ることに成功。迎えた最終セットは先にときどがリーチをかけるも、一気に畳みかけて竹内ジョンが逆転に成功した。

 続くウィナーズ2回戦ではぷげらと対戦。途中1ラウンド取られはしたものの、終始ペースを握ってストレートで勝利。ウィナーズ決勝に駒を進めた。

 この竹内ジョンとウィナーズ決勝で相対したのはラシードを操るガチくん。こちらも1回戦の対ナウマン(さくら)戦、2回戦の対もけ(ラシード)戦を勝ち抜いてきており、その対応力と強さを見せていた。

 コーディー対ラシードのマッチアップとなったそのウィナーズ決勝は、実況/解説をもって「これほどまでとは」と言わしめるほどの圧倒的な試合展開となった。竹内ジョンがコーディーの技術と駆け引きの強さで、ガチくんを抑えきり、セットカウント3-1でグランドファイナル進出を決めた。

 一方、ルーザーズはマゴ vs ときどの盟友対決と、ナウマン vs 立川のチーム同士対決の1回戦からスタート。そこに、ウィナーズでガチくんに敗れたもけと、竹内ジョンに敗北を喫したぷげら、ガチくんが加わるかたちとなった。この強者揃いとなったルーザーズから勝ち上がったのは、マゴ、もけ、ぷげら、ガチくんとの激闘を制したときど。グランドファイナル進出を決めた。

決勝まで快進撃を続けてきた若手。対するは激戦をくぐり抜けたベテラン

若手の竹内ジョン、ベテランのときどのマッチアップとなったグランドファイナル ©CAPCOM CO., LTD. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.

 グランドファイナルは竹内ジョン(コーディー) vs ときど(ユリアン)のマッチアップ。振り返ってみれば、Day1の同一カードでは3-2とセット数が競った試合となったものの、それ以外は圧倒的な強さで快進撃を続けてきた竹内ジョン。一方でルーザーズで厳しい戦いを繰り返し、さらに優勝のためにはリセットが必要となるときどによる決勝戦となった。

 第1セットは、ぐいぐいとラインを上げて体力リードを奪っていくコーディーに対し、エイジスリフレクターでユリアンが対応していく展開。先攻していくもラウンド取得にまで繋がらず、2セット目までときどが先取。第3セットは一気に竹内ジョンが取り返すも、第4セットはときどが抑え、リセットに成功した。

 ともにルーザーズとなったグランドファイナル。マッチアップは変わらずコーディー vs ユリアンとなった。ときどはここまでの連戦を感じさせない戦いを展開し、2セットを続けて取得。第3セットではリーチまで追い込むも、何とか竹内ジョンも踏ん張り、1セットを返した。

 しかし迎えた第4セット、ときどがラウンドを先行しリーチをかけると、竹内ジョンも隙を突いた反撃で1セット返す。しかし、最後の最後までエイジスリフレクターで相手を苦しめ続けたときどがついにリベンジを達成。プレシーズン大会優勝を決めた。

要所で効いていたエイジスリフレクター ©CAPCOM CO., LTD. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.
隙を突いて何とか1セットを取り返す ©CAPCOM CO., LTD. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.
エイジスリフレクターは最後の最後まで相手を苦しめた ©CAPCOM CO., LTD. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.

 ときどはグランドファイナル後のインタビューで、「そうそうたるメンバーの中では(竹内ジョンが)ちょっと与し易しだと思っていたが、そこでペースを握られてしまった。1回ルーザーズに落ちてしまうとかなり厳しいルートとなってしまったが、マゴ戦でいい勝ち方ができたのがよかった」と振り返った。チームメンバーには「チーム練習のおかげてここまでこれた」とした上で、「引き続きチーム会議と練習をみんなで一緒に時間をかけてやっていきたい」と語った。

 竹内ジョンは決勝後のインタビューで、「“正直、自分でもここまで勝てるとは”と思ってびっくりした。去年あまり大会に出ていなかったこともあって、分からなかった自分の立ち位置が分かったのはよかった」と話した。

 この結果を受け、v6プラス FAV Rohto Z!が2ポイント、コミュファDetonatioNが1ポイントの本節リーグポイントを獲得。アドレバンテージを握った状態でリーグ本節のスタートを切る。v6プラス FAV Rohto Z!としては、上位リーグに残った唯一のメンバーであるときどが、最後まで生き残ったかたちとなった。

優勝はv6プラス FAV Rohto Z!のときど ©CAPCOM CO., LTD. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.
優勝を決めたときど ©CAPCOM CO., LTD. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.
惜しくも敗れた竹内ジョン ©CAPCOM CO., LTD. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED.

 ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021 プレシーズン大会は10月5日20時に開幕。計14節によるリーグ戦と上位チームによるプレイオフ、勝ち上がったチームによるグランドファイナルを通じて、優勝の座を争う。今回のプレシーズン大会は、下馬評で強いと思われていた選手だけでなく、思わぬ伏兵や若手の躍動も見られ、リーグ本節での活躍も期待できるだろう。

 有料のライブ配信/先行視聴を実施している本プレシーズン大会は、10月1日と2日にYouTubeTwitchMildom、スカパー!での無料配信を実施予定。さらに本節となるストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021についても、同じくYouTubeなどの4プラットフォームを通じて視聴できる。