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NVIDIA、完全レイトレーシングによるビー玉転がしゲームを配布。実質RTX 3090専用

Marbles RTX

 NVIDIAは2021年5月7日(現地時間)に、GTC 2020でジェイスン・フアンCEOの基調講演で説明された、完全レイトレーシングによって実現したビー玉転がしゲーム「Marbles RTX」を配布開始した。ダウンロードにはOmniverseオープンベータへの参加が必要(無料)で、Omniverseのランチャーからダウンロード/起動できる。

 デモ公開から実に約1年を経てようやくリリースされたこのソフト。フアンCEOの解説によれば「光も影も描き込まれたものではなく、すべての要素に完全にリアルタイムで光が当たり、影が作られている」という。つまり従来のラスタライズではなく、リアルタイムレイトレーシングの手法によって実現したものであるということだろう。加えて、すべてに物理法則が適用されているという。

 編集部でも実際にダウンロードしてみたが、GeForce RTX 3070を搭載したシステムでは起動しなかった。エラーのログを追究したところ、ビデオメモリへの最小要件が11GBであることがわかった。つまり、コンシューマ向けGPUでは今のところGeForce RTX 2080 TiもしくはGeForce RTX 3090が必要(2080は8GB、3080は10GB。Quadro RTXなら5000以降で可能)。そこでGeForce RTX 3090を搭載したシステムで試してみたところ、こちらは無事に起動した。

GeForce RTX 3090システムで起動。ビデオメモリは13GB消費しているため、実際はGeForce RTX 2080 Tiでも厳しいだろう

 操作は、W/A/S/DとJ(ジャンプ)のみ。ステージ全体を傾けて操作するモードと、ビー玉自体を転がすモードが選択できる。一応、ゴールみたいな場所にたどり着ければクリア(タイトルに戻るだけ)となるが、ステージ内はループできるようになっているので、しばらく散策してリアルタイムレイトレーシングの世界に浸ってみると良い。

 必要要件が非常に高いので、現時点ではこのゲームをプレイできるのはほんの一握りの人だけになりそうだが、環境に恵まれている人なら試してみる価値はあるだろう。

操作は至って簡単
編集部のGeForce RTX 3090環境で試してみたところ。柔らかい影の表現や材質の質感など、至ってリアルだ。ビー玉自体が透明なため、背景は透けて、レンズ屈折により拡大して見える
GTC 2020でのジェンスン・フアン氏の解説